テイクアウト需要は、コロナ禍を経て定着しました。カフェにとってテイクアウトは、客席数に縛られない売上を作れる重要な販路です。
この記事では、カフェのテイクアウト戦略について、メニュー構成から容器選び、デリバリーサービスの活用まで解説します。
テイクアウト販売のメリットと課題
テイクアウトのメリット
カフェがテイクアウトに力を入れるべき理由は、いくつかあります。
テイクアウトのメリット:
| メリット | 内容 |
|---|---|
| 客席に縛られない | 満席でも売上を逃さない |
| 回転率に依存しない | 滞在時間を気にしなくてよい |
| 新規客の獲得 | 店内飲食に抵抗がある人を取り込める |
| 閑散時間帯の売上 | 通りすがりの需要を拾える |
| 認知拡大 | カップを持ち歩くことで宣伝になる |
特に、カップを持って歩くお客様は「動く広告」です。ロゴ入りカップは、ブランド認知に貢献します。
テイクアウトの課題
一方で、テイクアウトには特有の課題もあります。
テイクアウトの課題と対策:
| 課題 | 対策 |
|---|---|
| 容器コストがかかる | 原価計算に含める、価格に転嫁 |
| 温度が下がる | 断熱カップ使用、持ち帰り時間の確認 |
| 見た目が崩れる | 持ち運びやすい容器、崩れにくいメニュー |
| 食べる環境を選べない | 温め直し方法の案内 |
これらの課題を理解した上で、テイクアウトに適したメニュー設計を行いましょう。
テイクアウトメニューの設計
テイクアウト向きのメニュー
すべてのメニューがテイクアウトに適しているわけではありません。
テイクアウト向きのメニュー:
- アイスドリンク全般
- ホットドリンク(断熱カップで)
- サンドイッチ、ベーグル
- マフィン、スコーン
- 焼き菓子、クッキー
テイクアウトに向かないメニュー:
- ラテアート(見た目が崩れる)
- パンケーキ(冷めると食感が変わる)
- 盛り付けが繊細なスイーツ
店内メニューと別に、テイクアウト専用メニューを設定するのも有効です。
テイクアウトセットの設計
単品ではなく、セット販売で客単価を上げましょう。
テイクアウトセットの例:
| セット名 | 内容 | 価格 | 単品合計との差 |
|---|---|---|---|
| モーニングセット | コーヒー+サンドイッチ | 700円 | ▲100円 |
| おやつセット | ドリンク+焼き菓子2個 | 800円 | ▲150円 |
| パーティーセット | ドリンク4杯+スイーツ盛り合わせ | 3,500円 | ▲500円 |
セット割引があると、「せっかくだからセットで」という購買行動を促せます。
価格設定の考え方
テイクアウト価格は、店内価格と同じにするか、別にするか判断が分かれます。
価格設定の選択肢:
| 方式 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 店内と同価格 | シンプル、計算しやすい | 容器コスト分、利益が減る |
| テイクアウト別価格(安く) | 容器代を吸収 | 価格管理が複雑 |
| テイクアウト別価格(高く) | 容器代を転嫁 | 割高感を与える可能性 |
多くのカフェでは、店内と同価格にして容器コストを織り込んでいます。
容器・包装材の選び方
カップの選定
ドリンクのテイクアウトで最も重要なのがカップ選びです。
カップの種類と特徴:
| 種類 | 特徴 | 単価目安 |
|---|---|---|
| 紙カップ(単層) | 安価、ホットには熱い | 10〜15円 |
| 紙カップ(二重) | 断熱性あり、持ちやすい | 20〜30円 |
| プラスチックカップ | アイス用、透明で見栄え良い | 15〜25円 |
| リユーサブルカップ | 環境配慮、販売も可能 | 300〜500円(販売) |
ホットドリンクには二重構造の断熱カップがおすすめです。スリーブ(カップホルダー)を別途用意する方法もあります。
環境配慮の観点
環境意識の高まりから、エコ素材への切り替えを検討するカフェも増えています。
環境配慮の選択肢:
- 生分解性プラスチック(PLA)カップ
- FSC認証紙カップ
- マイカップ持参割引
- リユーサブルカップの販売
「マイカップ持参で50円引き」といった施策は、環境配慮とコスト削減の両立が可能です。
フード容器の選び方
フードのテイクアウト容器は、メニューに合わせて選びます。
フード容器の選び方:
| メニュー | 適した容器 | ポイント |
|---|---|---|
| サンドイッチ | 紙袋、ワックスペーパー | 蒸れないよう通気性確保 |
| ケーキ | 蓋付きプラ容器、紙箱 | 崩れ防止の仕切り |
| 焼き菓子 | 紙袋、クラフト袋 | まとめ買い用の箱も用意 |
見た目の美しさも重要です。SNS映えする容器は、投稿を促進します。
オペレーションの整備
テイクアウト動線の設計
テイクアウト客と店内客の動線を分けると、オペレーションがスムーズになります。
動線設計のポイント:
- テイクアウト受け取りカウンターを設置
- 待機スペースを確保
- レジでの会計と受け渡しを分離(可能なら)
店舗の広さによっては難しい場合もありますが、ピーク時の混雑を避ける工夫は必要です。
注文・決済方法
テイクアウトでは、事前注文・事前決済の仕組みがあると便利です。
注文方法の選択肢:
- 店頭での直接注文
- 電話注文
- LINE公式アカウントでの注文
- モバイルオーダーシステム
- デリバリーアプリ経由
事前注文があると、お客様の待ち時間を減らせ、ピーク時の混雑も緩和できます。
デリバリーサービスの活用
主要デリバリーサービス
テイクアウトの延長として、デリバリーも検討しましょう。
主要サービスの比較:
| サービス | 手数料 | 特徴 |
|---|---|---|
| Uber Eats | 約35% | 利用者数最大、都市部に強い |
| 出前館 | 約30〜35% | 和食・居酒屋に強い |
| Wolt | 約30% | 高単価メニュー向き |
| menu | 約30〜35% | 新興サービス、手数料キャンペーンあり |
手数料は高めですが、新規客の獲得チャネルとして有効です。
デリバリー用メニューの設計
デリバリーは配達時間がかかるため、さらにメニューを厳選します。
デリバリー向きのメニュー:
- アイスドリンク(保冷バッグで対応)
- 常温で美味しいスイーツ
- サンドイッチ、ベーグル
- 焼き菓子セット
ホットドリンクは温度低下が避けられないため、注意書きを添えるか、提供を控えるのが無難です。
手数料対策
デリバリー手数料は利益を圧迫するため、対策が必要です。
手数料対策:
- デリバリー専用価格を設定(店頭より高め)
- 最低注文金額を設定
- セットメニューで客単価を上げる
- 自社デリバリーも並行して受付
デリバリーアプリで認知を獲得し、リピーターには直接注文(LINE等)を促すのが理想的な流れです。
告知と販促
テイクアウト対応の告知
テイクアウト対応していることを、知ってもらう必要があります。
告知方法:
- 店頭看板に「テイクアウトOK」表示
- SNSで定期的に発信
- Googleビジネスプロフィールに「テイクアウト」を設定
- メニュー表にテイクアウト可否を明記
「テイクアウトできるとは知らなかった」というお客様は意外と多いです。
テイクアウト促進施策
テイクアウト利用を促進するキャンペーン:
- テイクアウト限定メニュー
- 朝の時間帯テイクアウト割引
- まとめ買い割引(コーヒー4杯で1杯分無料など)
- マイカップ持参割引
定期的にキャンペーンを実施し、テイクアウトの習慣化を促しましょう。
まとめ
カフェのテイクアウトは、客席数に縛られない売上を作れる重要な販路です。
テイクアウト戦略のポイントを振り返りましょう。
- テイクアウト向きのメニューを厳選する
- セット販売で客単価を上げる
- 容器は機能性と見た目のバランスで選ぶ
- オペレーションを整備し、スムーズな提供を
- デリバリーサービスで販路を拡大
- 「テイクアウトできる」ことをしっかり告知
テイクアウトは、店内飲食と異なるノウハウが必要です。最初から完璧を目指さず、運用しながら改善していきましょう。
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