美容室の経営で最も重要な指標の一つが「リピート率」です。新規集客にかかるコストは、既存顧客の維持コストの5倍以上とも言われており、リピート率を上げることが安定経営への近道となります。
この記事では、美容室のリピート率の現状から、具体的な改善施策、成功事例まで詳しく解説します。
美容室のリピート率の現状と課題
美容室業界のリピート率について、まず現状を把握しておきましょう。
美容室の平均リピート率
美容室の平均リピート率は、業界全体で見ると**約30〜40%**と言われています。つまり、新規で来店した10人のうち、再来店するのは3〜4人程度ということです。
一方、繁盛店のリピート率は70〜80%以上を維持しています。この差が売上の安定性に大きく影響します。
美容室のリピート率を測る際は、以下の計算式を使います。
リピート率 = 一定期間内の再来店客数 ÷ 前回来店の総客数 × 100
例えば、3ヶ月間で100人が来店し、そのうち45人が90日以内に再来店した場合、リピート率は45%となります。
リピートされない原因
美容室でリピートされない主な原因は以下の通りです。
1. 技術面での不満
- 仕上がりがイメージと違った
- カットの持ちが悪い
- カラーの色落ちが早い
2. 接客面での不満
- スタイリストとの相性が合わない
- 話しかけられすぎる/放置される
- 要望が伝わりにくい
3. 再来店のきっかけがない
- 次回予約の提案がない
- お店のことを忘れてしまう
- 他店のクーポンに流れる
特に3つ目の「きっかけがない」は、意外と見落とされがちですが、対策すれば改善しやすいポイントです。
美容室のリピート率を上げる方法5選
具体的な施策を5つ紹介します。すぐに実践できるものから始めてみてください。
来店後のフォロー(LINE・DM等)
来店後3日以内のフォローが効果的です。以下のようなメッセージを送りましょう。
フォローメッセージ例
〇〇様、先日はご来店ありがとうございました。
カットの仕上がりはいかがでしょうか?
スタイリングでお困りのことがあれば、
お気軽にご相談ください。
LINE公式アカウントを活用すれば、自動配信も可能です。来店から1週間後、1ヶ月後など、複数回のフォローを設定しておくとさらに効果的です。
紹介制度・紹介カードの活用
既存のお客様からの紹介は、リピート率が高い傾向にあります。紹介で来店されるお客様は、紹介者から良い評判を聞いているため、最初から信頼度が高いのです。
紹介制度のポイントは以下の通りです。
- 紹介者・被紹介者の両方に特典を用意(例:両者ともカット20%オフ)
- 紹介カードは名刺サイズで持ち運びやすく
- 特典の有効期限は2〜3ヶ月に設定
ポイントカード・スタンプカード
来店回数に応じた特典は、リピートの動機付けになります。
効果的なポイントカードの設計
- 5回来店で特典(ゴールが近いと継続しやすい)
- 貯まったポイントは次回来店時に使用可能
- デジタルカード(LINE等)なら忘れにくい
ただし、割引に頼りすぎると利益を圧迫するため、トリートメントやヘッドスパなどのオプションサービスを特典にする方法もおすすめです。
次回予約の促進
会計時に次回予約を提案することで、再来店率が大幅に上がります。
次回予約を促すトーク例
「今日のスタイルは、だいたい2ヶ月くらいで
形が崩れてくると思います。
よろしければ、次回のご予約を入れておきましょうか?
ご都合が悪くなったら、変更も可能ですよ」
次回予約特典(次回10%オフなど)を設けると、予約率がさらに上がります。
記念日・季節のキャンペーン
お客様の誕生日や来店記念日にDMやLINEを送ることで、再来店のきっかけを作れます。
キャンペーン例
- 誕生日月は全メニュー10%オフ
- 来店1周年記念で無料トリートメント
- 梅雨時期の縮毛矯正キャンペーン
- クリスマス・成人式前の特別メニュー
お客様の情報をカルテに記録しておき、適切なタイミングでアプローチすることが重要です。
美容室でリピート率を上げた成功事例
実際にリピート率を改善した美容室の事例を紹介します。
事例1:LINE活用でリピート率35%→55%に
東京都内の個人サロンAでは、LINE公式アカウントを導入し、以下の取り組みを行いました。
- 来店後翌日にお礼メッセージ
- 2週間後にスタイリングTips配信
- 1ヶ月後に次回来店の案内
3ヶ月でリピート率が35%から55%に向上。特に、スタイリングTipsの配信が好評で、お客様とのコミュニケーションが活性化しました。
事例2:次回予約制度で予約率70%達成
大阪の美容室Bでは、会計時の次回予約提案を徹底。次回予約をされた方には、次回10%オフの特典を用意しました。
導入から半年で、次回予約率が15%から70%に向上。予約が入っていることで来店忘れを防げるだけでなく、スタッフのシフト管理もしやすくなりました。
事例3:紹介制度で月間新規客の30%が紹介に
神奈川の美容室Cでは、紹介カードを作成し、スタッフ全員で声かけを徹底。紹介者には次回使えるトリートメント無料券、被紹介者にはカット20%オフを特典として用意しました。
1年後には、月間新規客の30%が紹介経由に。紹介客のリピート率は通常の新規客より20%高く、LTV(顧客生涯価値)の向上にもつながりました。
まとめ
美容室のリピート率を上げるポイントをまとめます。
- 来店後フォローを欠かさない(LINE・DM活用)
- 紹介制度を設計し、紹介客を増やす
- ポイントカードで来店動機を作る
- 次回予約を積極的に提案する
- 記念日・季節のキャンペーンで接点を増やす
まずは一つの施策から始めて、効果を測定しながら改善を続けていきましょう。リピート率10%の向上でも、年間の売上に大きな差が生まれます。
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