クリニック経営において、「かかりつけ患者」を増やすことは、経営の安定と地域医療への貢献の両面で重要です。一時的な来院ではなく、継続して通ってもらえるクリニックを目指しましょう。
この記事では、クリニックのリピート率の現状から、具体的な改善施策、成功事例まで詳しく解説します。
クリニックのリピート率の現状と課題
クリニック業界のリピート率について把握しましょう。
クリニックの平均リピート率
クリニックのリピート率(再診率)は診療科によって異なりますが、一般的に**約50〜60%**と言われています。
優秀なクリニックのリピート率は70%以上。「何かあったらここに相談する」というかかりつけ医として選ばれています。
クリニックのリピート率は以下で計算します。
リピート率 = 再診患者数 ÷ 延べ患者数 × 100
月単位・年単位での計測が一般的です。
リピートされない原因
クリニックでリピートされない主な原因です。
1. 一時的な症状で来院
- 風邪など、治れば来る必要がない
- 症状がなくなったら通院終了
- 予防や定期検診の意識がない
2. 他院との比較
- 近所に他のクリニックがある
- 待ち時間が長い
- 説明が分かりにくい
3. 継続通院の仕組み不足
- 次回来院のリマインドがない
- 予約が取りにくい
- かかりつけ医としての認識がない
クリニックでは、予防医療の啓蒙と患者との信頼関係構築がリピートの鍵です。
クリニックのリピート率を上げる方法5選
具体的な施策を5つ紹介します。
来店後のフォロー(リマインド等)
定期検診や健康診断のリマインドを送りましょう。
フォローの仕組み例
- 健康診断の時期にハガキ送付
- 慢性疾患の患者には定期的なフォロー連絡
- 予防接種の時期に案内
リマインドメッセージ例
〇〇様
そろそろ健康診断の時期です。
1年に1回の検診で、病気の早期発見につながります。
【当院の健康診断】
・血液検査
・尿検査
・心電図
・レントゲン
ご予約はお電話またはWEBから承ります。
お気軽にご相談ください。
LINEやメールでのリマインドも効果的です。
紹介制度・紹介カードの活用
クリニックは「いい先生いる?」と聞かれやすいです。
クリニックの紹介カード活用例
- 紹介カードを待合室に設置
- 紹介で来院された方には丁寧なカウンセリング
- 地域の企業・施設との連携
医療機関は直接的な割引特典は難しいため、「紹介カード持参の方には丁寧に対応」という形でのサービス向上がポイントです。
ポイントカード・スタンプカード
医療機関ではポイントカードは一般的ではありませんが、代わりに以下の工夫が可能です。
かかりつけ患者向けの工夫
- 患者カルテの充実(過去の履歴をしっかり記録)
- 診察券アプリで予約・履歴管理
- 健康情報のニュースレター送付
「ここに通っている」という所属意識を高める工夫が重要です。
次回予約の促進
診察終了時に次回来院を促しましょう。
次回予約を促すトーク例
「今日のお薬で様子を見ていただいて、
2週間後にまた診せてください。
その場で次回の予約を入れておきましょうか?」
慢性疾患の患者には特に、定期的な来院の重要性を説明し、次回予約を入れてもらいましょう。
記念日・季節のキャンペーン
健康意識が高まるタイミングでアプローチします。
キャンペーン例
- インフルエンザ予防接種シーズン
- 花粉症シーズン前の早期受診案内
- 健康診断の時期(年度初め・年度末)
- 生活習慣病予防月間
「今のうちに受診しておきましょう」という予防的なメッセージが効果的です。
クリニックでリピート率を上げた成功事例
実際にリピート率を改善したクリニックの事例を紹介します。
事例1:WEB予約システムで再診率向上
東京のクリニックAでは、WEB予約システムを導入。スマホから簡単に予約できるようにしました。
「予約が取りやすくなった」「待ち時間が減った」と好評で、再診率が55%から70%に向上。特に働き盛りの患者さんの再診率が大幅に改善しました。
事例2:健康診断リマインドで年1来院を確保
大阪のクリニックBでは、過去に健康診断を受けた患者に、1年後にリマインドハガキを送付。「そろそろ健診の時期です」と案内しました。
「忘れていたけど、ハガキで思い出した」という声が多く、健診リピート率が40%から65%に向上。1年に1回でも確実に来院してもらえるようになりました。
事例3:地域連携で紹介患者を獲得
名古屋のクリニックCでは、近隣の薬局や介護施設と連携。「何かあったらこのクリニックへ」という関係を構築しました。
「薬局で紹介されて来ました」「施設のスタッフに勧められた」という来院が増加。地域の「かかりつけ医」としての認知度が上がり、リピート率も向上しました。
まとめ
クリニックのリピート率を上げるポイントをまとめます。
- 定期検診・予防接種のリマインドを送る
- 紹介カードで「いい先生」として口コミを広げる
- 患者カルテの充実で「かかりつけ感」を高める
- 診察終了時に次回予約を促す
- 地域連携で紹介患者を獲得する
クリニックは「病気を治す場所」だけでなく「健康を守る場所」として選ばれることが重要です。予防医療の価値を伝え、地域のかかりつけ医を目指しましょう。
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