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記事 #美容室経営 #価格設定 #値上げ

美容室のメニュー価格設定|値上げのタイミングと方法

美容室のメニュー価格設定と値上げの方法を解説。適正価格の考え方、値上げのタイミング、お客様への伝え方まで実践的なノウハウを紹介します。

5分で読める
オクリテ編集部

「価格をどう設定すればいいかわからない」「値上げしたいけど、お客様が離れるのが怖い」そんな悩みを抱えるオーナーは多いでしょう。価格設定は経営において非常に重要ですが、正解がないため難しい判断を迫られます。

結論から言えば、適正な価格設定には「原価と利益の計算」「市場価格との比較」「提供価値の明確化」の3つの視点が必要です。この記事では、価格設定の考え方と値上げの進め方を解説します。

価格設定の基本的な考え方

価格を構成する要素

価格は、以下の要素から構成されます。

価格 = 原価 + 人件費 + 経費 + 利益

それぞれの要素を適切に見積もることで、適正価格が見えてきます。

3つの価格設定アプローチ

価格設定には、主に3つのアプローチがあります。

アプローチ考え方メリットデメリット
コストプラス法原価に利益を上乗せ利益を確保しやすい市場とズレる可能性
市場価格法競合の価格を参考に市場に合った価格利益が出ない可能性
価値ベース法提供価値に基づく高単価が実現可能価値の説明が必要

実際には、この3つを組み合わせて価格を決定します。

コストに基づく価格設定

メニュー別原価の計算

まず、各メニューにかかる原価を計算しましょう。

カラーメニューの例:

項目金額
カラー剤(1剤+2剤)250円
ラップ・ペーパー類20円
手袋10円
材料費合計280円

時間あたりコストの計算

材料費だけでなく、施術時間も考慮します。

時間あたり経費 = (家賃 + 人件費 + 光熱費 + その他固定費) ÷ 月間営業時間

例:

  • 月間固定費: 100万円
  • 月間営業時間: 200時間
  • 時間あたり経費 = 100万円 ÷ 200時間 = 5,000円/時間

カラー施術に90分かかるなら:

  • 時間コスト = 5,000円 × 1.5時間 = 7,500円

適正価格の算出

原価と時間コストを合算し、利益を上乗せします。

適正価格 = (材料費 + 時間コスト) × (1 + 目標利益率)

例:

  • 材料費: 280円
  • 時間コスト: 7,500円
  • 目標利益率: 20%
  • 適正価格 = (280円 + 7,500円) × 1.2 = 約9,300円

市場価格との比較

競合調査の方法

自サロン周辺の競合価格を調査しましょう。

調査方法:

方法内容
ポータルサイトホットペッパービューティーで近隣サロンをチェック
店頭確認実際に店頭のメニュー表を確認
覆面来店競合サロンを実際に利用

調査項目:

項目内容
基本メニュー価格カット、カラー、パーマ
セットメニュー組み合わせ価格
価格帯全体的な価格レベル
ターゲット層どんな客層を狙っているか

ポジショニングの決定

競合との比較で、自サロンの立ち位置を決めます。

ポジション価格戦略特徴
高価格帯市場平均+20〜50%高品質、差別化されたサービス
中価格帯市場平均±10%バランス重視
低価格帯市場平均-20〜30%回転率重視、効率化必須

どのポジションを選ぶかは、サロンのコンセプトとターゲットによります。

価値に基づく価格設定

価値ベースの考え方

お客様が感じる「価値」に基づいて価格を設定する方法です。

価値を高める要素:

要素内容
技術力高度なスキル、専門性
接客丁寧なカウンセリング、おもてなし
空間居心地の良さ、プライバシー
結果仕上がりの美しさ、持ちの良さ
体験トータルでの満足感

これらの価値を高めることで、価格を上げても選ばれるサロンになれます。

価値の見える化

価値を伝えないと、お客様には伝わりません。

伝え方の例:

価値伝え方
技術力資格、受賞歴、経験年数
使用薬剤高品質な薬剤を使用している説明
施術時間丁寧に時間をかけることの説明
アフターケアホームケアアドバイスの提供

値上げのタイミング

値上げを検討すべき状況

以下の状況では、値上げを検討しましょう。

状況理由
原価の上昇材料費、光熱費の高騰
人件費の上昇最低賃金上昇、スタッフ給与改定
技術力の向上新しい資格取得、技術習得
サービス品質の向上設備投資、サービス拡充
競合と比較して安すぎる市場価格との乖離
利益率が低い経営の持続性

値上げに適したタイミング

値上げには、タイミングも重要です。

タイミングメリット
年度替わり(4月)一般的な改定時期と合わせやすい
新年(1月)新しい年のスタートとして
周年記念リニューアルのイメージ
メニュー改定時新メニューと一緒に
繁忙期前閑散期を避ける

繁忙期中や、大切なお客様の来店直前は避けた方が無難です。

値上げの進め方

ステップ1: 値上げ幅の決定

一般的には、5〜15%程度の値上げが多いです。

値上げ幅特徴
5%以下気づかれにくい、頻繁に実施可能
5〜10%バランスが良い
10〜15%明確な理由が必要
15%以上大幅リニューアルと合わせて

少額の値上げを定期的に行う方が、大幅値上げよりも受け入れられやすい傾向があります。

ステップ2: 値上げの根拠を整理

お客様に説明できる根拠を用意しましょう。

説得力のある根拠:

  • 材料費の高騰(具体的な数字があるとベター)
  • 技術・サービスの向上
  • 設備投資の実施
  • スタッフの技術向上

「利益を出したいから」という理由は伝えにくいので、お客様にとってのメリットにつながる説明を心がけましょう。

ステップ3: 告知の準備

値上げの告知は、事前に丁寧に行います。

告知のタイミング:

方法タイミング
店内掲示1〜2ヶ月前から
直接説明来店時に個別で
DM・メール1ヶ月前に
SNS・HP1ヶ月前に

ステップ4: 告知文の作成

お客様への告知文は、以下の構成で作成しましょう。

告知文の例:

いつも〇〇サロンをご愛顧いただき、
誠にありがとうございます。

さて、このたび◯月◯日より
メニュー価格を改定させていただくことになりました。

原材料費の高騰や、より良いサービス提供のための
設備投資などを踏まえ、苦渋の決断となりましたが、
何卒ご理解いただけますようお願い申し上げます。

改定後も、お客様に満足いただけるサービスを
提供できるよう努めてまいります。

主な改定内容:
・カット: ◯,◯◯◯円 → ◯,◯◯◯円
・カラー: ◯,◯◯◯円 → ◯,◯◯◯円

今後とも変わらぬご愛顧を
お願い申し上げます。

〇〇サロン 代表 ◯◯

ステップ5: スタッフへの共有

スタッフにも値上げの背景と説明の仕方を共有しましょう。

共有内容:

  • 値上げの理由と背景
  • 新価格の詳細
  • お客様への説明の仕方
  • 想定される質問への回答

値上げ後のフォロー

お客様の反応への対応

値上げ後は、お客様の反応を注視しましょう。

反応対応
理解してくれる感謝を伝える
不満を漏らす丁寧に説明、価値を実感してもらう
来店頻度が下がるフォローDM、特別サービス
失客原因分析(価格以外の要因も検討)

離反を最小限にするコツ

値上げによる離反を防ぐには、以下が有効です。

施策内容
事前告知の徹底サプライズにしない
理由の説明納得できる根拠を伝える
価値の向上値上げと同時にサービスも向上
旧価格での優遇値上げ前に次回予約で旧価格適用
段階的な値上げ一気に上げず、小刻みに

効果測定

値上げ後は、以下を確認しましょう。

指標確認ポイント
客数の変化値上げ前後での比較
売上の変化客数減を客単価上昇でカバーできているか
リピート率既存客の維持
新規獲得新規は価格に敏感か

客数が10%減っても、価格が15%上がれば、売上は増加します(100×1.0→90×1.15=103.5)。このバランスを見て判断しましょう。

まとめ

美容室の価格設定で重要なポイントは以下の3つです。

  1. 原価と利益の計算: コストに基づいた適正価格を算出
  2. 市場価格との比較: 競合調査で自サロンのポジショニングを決定
  3. 提供価値の明確化: 価値を高め、それを伝える

値上げは怖いかもしれませんが、適正価格で経営することは、サロンの持続可能性に直結します。価値を高め、それを伝え、お客様に納得してもらえる価格設定を目指しましょう。

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