カスタマージャーニーマップは、顧客が店舗を認知してから来店するまでの道のりを可視化するツールです。顧客の行動と心理を理解し、適切なアプローチをするための作り方を解説します。
カスタマージャーニーとは
基本的な考え方
カスタマージャーニーとは、顧客が商品・サービスを知り、購入し、利用するまでの「旅」のことです。
一般的な購買プロセス
認知 → 興味 → 検討 → 来店 → 購入 → リピート → 紹介
なぜジャーニーマップが重要か
| 理由 | 内容 |
|---|---|
| 顧客視点 | 顧客の立場で考えられる |
| 課題発見 | どこでつまずいているか分かる |
| 施策の最適化 | 段階に合った施策ができる |
| チーム共有 | 共通認識を持てる |
カスタマージャーニーの段階
各段階の特徴
| 段階 | 顧客の状態 | 心理 |
|---|---|---|
| 認知 | 存在を知る | 「こんな店があるんだ」 |
| 興味 | 気になる | 「ちょっと気になる」 |
| 検討 | 比較する | 「他と比べてどうかな」 |
| 来店 | 実際に訪問 | 「行ってみよう」 |
| 購入 | 購入・利用 | 「これにしよう」 |
| リピート | 再来店 | 「また来たい」 |
| 紹介 | 口コミ | 「友達にも教えよう」 |
段階別のタッチポイント
| 段階 | タッチポイント例 |
|---|---|
| 認知 | SNS、チラシ、看板、口コミ |
| 興味 | ホームページ、SNS投稿 |
| 検討 | 口コミサイト、比較サイト |
| 来店 | 店舗外観、店頭POP |
| 購入 | 接客、店内体験 |
| リピート | LINE、DM、メール |
| 紹介 | 紹介カード、SNS |
ジャーニーマップの作り方
ステップ1: ペルソナを設定
まず、ターゲット顧客像(ペルソナ)を明確にしましょう。
ペルソナの例
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | 田中美咲(仮名) |
| 年齢 | 35歳 |
| 職業 | 会社員(事務職) |
| 家族構成 | 夫、子ども2人 |
| 悩み | 肩こり、疲れ、時間がない |
| 情報収集 | Instagram、Googleマップ |
| 重視すること | 口コミ、価格、アクセス |
ステップ2: 段階を設定
顧客が通る段階を設定します。
| 段階 | 定義 |
|---|---|
| 認知 | 店舗の存在を知る |
| 興味 | 詳しく知りたいと思う |
| 検討 | 他店と比較する |
| 来店 | 実際に訪問する |
| 利用 | サービスを受ける |
| 評価 | 満足度を判断する |
| 再来店 | また利用する |
ステップ3: 各段階を埋める
各段階について、以下の項目を埋めます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 行動 | 顧客が何をするか |
| タッチポイント | どこで接触するか |
| 思考・感情 | 何を考え、感じているか |
| 課題・障壁 | 何がハードルになるか |
| 施策 | どうアプローチするか |
ステップ4: マップにまとめる
ジャーニーマップ例(美容室)
| 段階 | 認知 | 興味 | 検討 | 来店 | 利用 | 再来店 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 行動 | Instagramで見る | ホームページを見る | 口コミを見る | 予約して来店 | カット | LINE登録 |
| タッチポイント | ホームページ | 口コミサイト | 電話/Web | 店内 | LINE | |
| 思考 | 可愛い髪型 | 場所は近いかな | 評判はどうかな | ちょっと緊張 | 仕上がり楽しみ | また来たい |
| 課題 | 認知されない | 情報不足 | 比較で負ける | 予約が面倒 | 期待外れ | 忘れる |
| 施策 | SNS投稿 | HP充実 | 口コミ獲得 | Web予約 | 接客向上 | リマインド |
段階別の施策
認知段階
課題: 存在を知ってもらう
| 施策 | 内容 |
|---|---|
| SNS発信 | 定期的な投稿で露出 |
| MEO対策 | Googleマップで上位表示 |
| 看板・外観 | 店舗前で目を引く |
| チラシ | 商圏内に配布 |
興味段階
課題: もっと知りたいと思わせる
| 施策 | 内容 |
|---|---|
| HP充実 | メニュー、料金、スタッフ紹介 |
| SNSコンテンツ | 詳しい情報、日常の様子 |
| ブログ | 専門性のある情報発信 |
検討段階
課題: 競合との比較で選ばれる
| 施策 | 内容 |
|---|---|
| 口コミ獲得 | Googleマップ、ポータルサイト |
| 差別化訴求 | 強みを明確に伝える |
| 初回特典 | 試しやすいオファー |
来店段階
課題: 実際に足を運んでもらう
| 施策 | 内容 |
|---|---|
| 予約の簡便化 | Web予約、LINE予約 |
| アクセス案内 | 分かりやすい道順 |
| 初回サポート | 不安を解消する情報 |
利用段階
課題: 期待以上の体験を提供
| 施策 | 内容 |
|---|---|
| 接客品質 | 丁寧な対応、ヒアリング |
| サービス品質 | 技術、商品の質 |
| 空間演出 | 居心地の良い環境 |
再来店段階
課題: 忘れられずに再来店してもらう
| 施策 | 内容 |
|---|---|
| LINE登録 | 継続的な接点 |
| リマインド | 来店時期のお知らせ |
| 特典 | リピート割引、ポイント |
紹介段階
課題: 口コミ・紹介を促進
| 施策 | 内容 |
|---|---|
| 紹介制度 | 紹介者・被紹介者双方に特典 |
| 口コミ依頼 | 満足度が高い時に依頼 |
| SNS投稿促進 | 投稿しやすい仕掛け |
紹介元を記録しておくと、どのルートからの紹介が多いか把握できます。
ジャーニーマップの活用
課題の発見
マップを見て、ボトルネック(詰まっている段階)を発見しましょう。
| 段階 | 課題例 | 改善策 |
|---|---|---|
| 認知→興味 | HPのアクセスが少ない | SNSからの誘導強化 |
| 興味→検討 | 口コミが少ない | 口コミ獲得施策 |
| 検討→来店 | 予約が入らない | 予約の簡便化、初回特典 |
| 利用→再来店 | リピート率が低い | LINE登録、リマインド |
施策の優先順位
影響が大きい段階から改善しましょう。
| 優先度 | 基準 |
|---|---|
| 高 | 離脱率が高い段階 |
| 高 | 改善効果が大きい段階 |
| 中 | 比較的簡単に改善できる段階 |
| 低 | 影響が小さい段階 |
定期的な見直し
ジャーニーマップは一度作って終わりではなく、定期的に見直しましょう。
- 顧客の行動変化に対応
- 新しい施策の効果を反映
- 競合の変化に対応
業種別のジャーニー例
飲食店
SNSで見る → HP/Googleマップ確認 → 口コミチェック → 予約/来店 → 食事 → 口コミ投稿/リピート
美容室
Instagram → HP確認 → 口コミ確認 → Web予約 → 施術 → LINE登録 → リマインドで再来店
学習塾
チラシ/紹介 → HP/説明会 → 体験授業 → 検討・比較 → 入塾 → 継続 → 兄弟/友人紹介
注意点
よくある間違い
| 間違い | 正しい考え方 |
|---|---|
| 自社視点で作る | 顧客視点で考える |
| 想像だけで作る | データ、顧客の声を反映 |
| 1回作って終わり | 定期的に見直す |
| 全員に同じ | ペルソナ別に作る |
実際の顧客に聞く
想像だけでなく、実際の顧客に聞いてみましょう。
- 何がきっかけで知ったか
- 何を比較したか
- 決め手は何だったか
- 迷った点は何か
まとめ:ジャーニーマップ活用のポイント
カスタマージャーニーマップを活用するポイントをまとめます。
- ペルソナを設定: 誰のジャーニーかを明確に
- 段階を理解: 認知から紹介まで各段階を把握
- 課題を発見: どこでつまずいているか特定
- 段階別に施策: 各段階に適切なアプローチ
- 定期的に見直し: 変化に対応して更新
顧客の視点に立って、来店までの道のりを設計しましょう。
関連記事