「客単価を上げたいけど、押し売りみたいになりたくない」「追加メニューの提案がうまくできない」そんな悩みを持つ美容師は多いでしょう。しかし、お客様の悩みを解決する提案は「押し売り」ではなく「親切」です。
結論から言えば、効果的な追加提案には「タイミング」「伝え方」「お客様目線」の3つが重要です。この記事では、客単価を自然に上げるメニュー提案の方法を解説します。
なぜ追加提案が必要か
客単価アップの重要性
客単価が上がれば、同じ労働時間でも売上が上がります。
| 指標 | 現状 | 客単価+1,000円 |
|---|---|---|
| 月間客数 | 80人 | 80人(同じ) |
| 客単価 | 7,000円 | 8,000円 |
| 月間売上 | 56万円 | 64万円 |
| 年間差 | - | +96万円 |
客単価1,000円アップで、年間96万円の売上増になります。
提案しないことの損失
提案しないことは、実はお客様にとっても損失です。
| 提案しない理由 | 実際は… |
|---|---|
| 断られたくない | 断られても次がある |
| 押し売りと思われたくない | 必要な提案は「親切」 |
| お客様に申し訳ない | 知らないまま損している |
| 自信がない | 自分が信じていないと伝わらない |
お客様は、トリートメントの存在を知らない、効果を知らない、だから頼まないだけかもしれません。
押し売りと提案の違い
押し売りの特徴
| 特徴 | 例 |
|---|---|
| 自分本位 | 「売上のために」 |
| 一方的 | 相手の反応を見ない |
| しつこい | 断られても続ける |
| 理由がない | 「おすすめです」だけ |
| 全員に同じ | 個別の悩みに合っていない |
良い提案の特徴
| 特徴 | 例 |
|---|---|
| お客様目線 | 「この悩みを解決するために」 |
| 対話的 | 反応を見て調整 |
| 1回で引く | 断られたら引く |
| 理由がある | 「なぜ必要か」を説明 |
| 個別対応 | その人の悩みに合わせる |
提案は「解決策を教える」こと。 お客様の悩みを解決する方法を知っているなら、教えないほうが不親切です。
追加提案のタイミング
カウンセリング時
カウンセリングは提案の最適なタイミングです。
| お客様の言葉 | 提案 |
|---|---|
| 「パサつきが気になる」 | トリートメント |
| 「カラーの持ちが悪い」 | カラーケアトリートメント |
| 「頭皮が気になる」 | ヘッドスパ |
| 「白髪が増えてきた」 | リタッチプラン |
悩みを聞いた瞬間が、提案の黄金タイミングです。
施術中
施術しながら、自然に提案するタイミングがあります。
| 場面 | 提案 |
|---|---|
| シャンプー中 | 「頭皮が少し硬いですね。ヘッドスパでほぐすと気持ちいいですよ」 |
| カット中 | 「毛先のダメージが気になりますね。トリートメントで補修できますよ」 |
| カラー中 | 「退色防止のトリートメントもありますが、いかがですか?」 |
実際に触れながら伝えると、説得力が増します。
仕上げ時
仕上げの時間も、提案のチャンスです。
| 場面 | 提案 |
|---|---|
| スタイリング時 | 「このワックス、使いやすいですよ」(店販) |
| ドライ後 | 「ツヤを出すなら、このオイルがおすすめです」(店販) |
| 最後の確認 | 「次回、カラーと一緒にトリートメントもいかがですか?」(次回予約) |
メニュー別の提案方法
トリートメント
トリートメントは最も提案しやすい追加メニューです。
提案の流れ:
1. 悩みの確認
「パサつき、気になりますか?」
2. 原因の説明
「カラーやアイロンで、髪の内部が空洞化しているんです」
3. 解決策の提案
「トリートメントで、内部から補修できますよ」
4. 効果の説明
「触り心地が全然変わりますし、持ちも良くなります」
5. 確認
「今日、一緒にやりませんか?」
価格別の提案:
| 価格帯 | 提案の仕方 |
|---|---|
| 1,000〜2,000円 | 「手軽にできるものがありますよ」 |
| 3,000〜5,000円 | 「しっかりケアしたい方に人気です」 |
| 5,000円以上 | 「効果を実感したい方におすすめです」 |
お客様の予算感に合わせて、選択肢を提示しましょう。
ヘッドスパ
ヘッドスパは、リラクゼーション効果もアピールできます。
提案の切り口:
| 切り口 | 伝え方 |
|---|---|
| 頭皮ケア | 「頭皮の詰まりをスッキリさせましょう」 |
| リラックス | 「施術中、ゆっくり休んでいただけますよ」 |
| 髪質改善 | 「頭皮が健康になると、髪も元気になりますよ」 |
| 疲労回復 | 「お疲れのようですね。ほぐしましょうか」 |
カラーのグレードアップ
カラーにも、グレードアップの提案ができます。
| 通常メニュー | グレードアップ | 提案の仕方 |
|---|---|---|
| 通常カラー | オーガニックカラー | 「頭皮に優しいカラーもありますよ」 |
| リタッチ | フルカラー | 「毛先も一緒に染めると、統一感が出ますよ」 |
| 単色 | ハイライト | 「立体感が出て、おしゃれに見えますよ」 |
店販商品
店販は、施術時間を使わずに売上を上げられます。
提案のポイント:
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 施術中に使う | 「今日使ったこれ、いい香りでしょう?」 |
| 効果を実感させる | 「触ってみてください、違いますよね」 |
| 使い方を教える | 「お家でもこうやって使うと、持ちが良くなりますよ」 |
| 無理に勧めない | 「良かったらどうぞ」くらいの軽さで |
提案の言い回し
自然な導入フレーズ
| フレーズ | 使用場面 |
|---|---|
| 「そういえば」 | 話の流れで切り出す時 |
| 「ちなみに」 | 補足として伝える時 |
| 「よかったら」 | 軽く提案する時 |
| 「もし興味があれば」 | 相手に選択権を渡す時 |
お客様目線のフレーズ
NG例と改善例:
| NG | 改善 |
|---|---|
| 「トリートメントどうですか?」 | 「パサつきが気になるなら、トリートメントで改善できますよ」 |
| 「おすすめです」 | 「○○さんの髪質に合うと思います」 |
| 「人気ですよ」 | 「同じ悩みの方に好評なんです」 |
「あなたのために」という視点で伝えることが大切です。
断られた時の対応
断られても、関係を壊さないように。
| 返答 | 対応 |
|---|---|
| 「今日はいいです」 | 「承知しました。また気が向いたら、いつでもどうぞ」 |
| 「お金がない」 | 「お手頃なものもありますが、また今度でも大丈夫ですよ」 |
| 「時間がない」 | 「また余裕のある時にぜひ。次回ご検討ください」 |
1回断られたら引くのが鉄則。しつこいと「押し売り」になります。
提案力を高める練習
ロールプレイ
同僚と提案のシミュレーションをしましょう。
| 役割 | 設定 |
|---|---|
| お客様役 | 「パサつきが気になる30代女性」 |
| スタイリスト役 | トリートメントを自然に提案 |
| 観察者 | フィードバックを行う |
トークスクリプトの作成
自分なりの「型」を作っておくと、自然に言葉が出るようになります。
【トリートメント提案スクリプト例】
「○○さん、毛先のパサつき、気になりますか?」
↓
「実は、カラーやアイロンで髪の内部が傷んでいるんです」
↓
「トリートメントで内部から補修すると、手触りが変わりますよ」
↓
「今日、一緒にいかがですか?」
数字の把握
自分の提案成功率を把握しましょう。
| 指標 | 計算方法 | 目標 |
|---|---|---|
| 提案率 | 提案した回数 ÷ 来客数 | 80%以上 |
| 成功率 | 追加購入数 ÷ 提案回数 | 30%以上 |
| 客単価 | 売上 ÷ 来客数 | 前月比+5% |
よくある失敗と対策
| 失敗 | 対策 |
|---|---|
| 全員に同じ提案 | 悩みに合わせた個別提案 |
| 説明が長い | 要点を絞って短く |
| 自信がなさそう | 自分が信じていないと伝わらない |
| タイミングが悪い | 悩みを聞いた直後に提案 |
| 価格だけ伝える | 効果・メリットを先に伝える |
まとめ
美容師が客単価を上げる追加提案のポイントは以下の3つです。
- タイミング: 悩みを聞いた瞬間、施術中に触れた時が黄金タイミング
- 伝え方: 「あなたの悩みを解決するため」というお客様目線で
- 引き際: 断られたら1回で引く、しつこくしない
提案は「売り込み」ではなく「解決策を教える」こと。お客様の悩みを解決する方法を知っているなら、教えてあげましょう。
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