面接の目的
面接の目的は、「この人と一緒に働きたいか」「この人は活躍できるか」を見極めることです。適切な質問をすることで、履歴書だけでは分からない人柄やスキルを把握できます。
また、面接は応募者にとっても「この会社で働きたいか」を判断する場です。一方的に質問するだけでなく、自社の魅力を伝える機会でもあります。
面接の基本的な流れ
標準的な流れ(30〜60分)
1. アイスブレイク(2〜3分)
└ 天気、来社方法など軽い話題
↓
2. 会社・仕事の説明(5〜10分)
└ 事業内容、仕事内容、職場環境
↓
3. 質問タイム(15〜30分)
└ 経歴、志望動機、適性確認
↓
4. 応募者からの質問(5〜10分)
└ 疑問点、確認事項
↓
5. 今後の流れ説明(2〜3分)
└ 結果連絡の時期、入社までの流れ
聞くべき質問リスト
共通質問(全職種・雇用形態)
経歴・志望動機
| 質問 | 見極めポイント |
|---|---|
| これまでのお仕事について教えてください | 経験、スキル |
| 当店に応募された理由は何ですか? | 志望度、理解度 |
| 当店のことはどこで知りましたか? | 情報収集力 |
| 働く上で大切にしていることは何ですか? | 価値観 |
仕事への姿勢
| 質問 | 見極めポイント |
|---|---|
| これまでの仕事で大変だったことは? | ストレス耐性 |
| その時どう乗り越えましたか? | 問題解決力 |
| 仕事で心がけていることは何ですか? | 仕事観 |
| チームで働く上で大切なことは? | 協調性 |
適性確認
| 質問 | 見極めポイント |
|---|---|
| お客様への接客は好きですか? | 適性 |
| 立ち仕事は大丈夫ですか? | 体力 |
| 忙しい時間帯の対応は大丈夫ですか? | 対応力 |
正社員向け追加質問
キャリア・成長意欲
| 質問 | 見極めポイント |
|---|---|
| 3年後、5年後どうなっていたいですか? | キャリア観 |
| 店長やマネージャーに興味はありますか? | 上昇志向 |
| 身につけたいスキルはありますか? | 成長意欲 |
| 転職理由を教えてください | 退職理由、定着性 |
リーダーシップ・マネジメント
| 質問 | 見極めポイント |
|---|---|
| 後輩を指導した経験はありますか? | 指導力 |
| チームをまとめた経験はありますか? | リーダーシップ |
| 意見が対立した時どう対処しますか? | 調整力 |
アルバイト・パート向け追加質問
勤務条件
| 質問 | 見極めポイント |
|---|---|
| 週に何日くらい働けますか? | シフト |
| 1日何時間くらい働きたいですか? | 勤務時間 |
| 土日祝日は出勤できますか? | シフト |
| いつから働けますか? | 入社時期 |
| どれくらいの期間働く予定ですか? | 長期/短期 |
学生の場合
| 質問 | 見極めポイント |
|---|---|
| 学校の授業は何曜日が多いですか? | シフト調整 |
| テスト期間のシフト調整は必要ですか? | 柔軟性 |
| 部活やサークル活動はしていますか? | スケジュール |
主婦・主夫の場合
| 質問 | 見極めポイント |
|---|---|
| お子様の年齢はおいくつですか? | 勤務制約 |
| 急なお休みが必要になることはありますか? | 柔軟性 |
| 扶養の範囲内での勤務を希望されますか? | 勤務時間 |
深掘り質問のテクニック
STAR法
具体的なエピソードを引き出す質問法です。
| 要素 | 質問例 |
|---|---|
| Situation(状況) | どんな状況でしたか? |
| Task(課題) | 何を求められていましたか? |
| Action(行動) | どんな行動をとりましたか? |
| Result(結果) | どんな結果になりましたか? |
使用例
面接官: 「接客で大変だったことはありますか?」
応募者: 「クレーム対応が大変でした」
面接官: 「具体的にどんな状況でしたか?」(S)
面接官: 「お客様は何を求めていましたか?」(T)
面接官: 「どのように対応しましたか?」(A)
面接官: 「最終的にどうなりましたか?」(R)
「例えば」で具体化
抽象的な回答には具体例を求めます。
応募者: 「チームワークを大切にしています」
面接官: 「例えば、具体的にどんな場面でそう感じますか?」
聞いてはいけないNG質問
法律で禁止されている質問
就職差別につながる質問は禁止されています。
| NG項目 | NG質問例 |
|---|---|
| 本籍・出生地 | 「ご出身はどちらですか?」 |
| 家族 | 「お父様のご職業は?」「兄弟は何人?」 |
| 住居 | 「持ち家ですか?」 |
| 思想・信条 | 「支持政党は?」「宗教は?」 |
| 組合活動 | 「組合活動の経験は?」 |
| 結婚・出産 | 「結婚のご予定は?」「お子さんの予定は?」 |
配慮が必要な質問
直接的に聞くのを避けるべき質問です。
| 聞きたいこと | NG | OK |
|---|---|---|
| 体力 | 「体力に自信はありますか?」 | 「立ち仕事が多いですが大丈夫ですか?」 |
| 残業 | 「残業できますか?」 | 「繁忙期は20時まで残ることがありますが対応可能ですか?」 |
| 転職理由 | 「なぜ辞めたんですか?」 | 「転職を考えられたきっかけを教えてください」 |
回答の見極め方
良い回答の特徴
| 特徴 | 例 |
|---|---|
| 具体的 | エピソードを交えて説明 |
| 自分の言葉 | マニュアル回答でない |
| 謙虚さ | 失敗談も話せる |
| 一貫性 | 話に矛盾がない |
注意が必要な回答
| 特徴 | 例 |
|---|---|
| 抽象的 | 「がんばります」だけ |
| 他責 | 「前の会社が悪かった」 |
| 準備不足 | 会社のことを調べていない |
| 過度な自己PR | 実績を盛っている様子 |
面接官側のマナー
好印象を与えるポイント
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 笑顔 | 緊張をほぐす |
| 相槌 | 話を聞いている姿勢 |
| メモ | 真剣に聞いている印象 |
| 説明 | 会社の魅力をしっかり伝える |
やってはいけないこと
| NG行動 | 理由 |
|---|---|
| 圧迫面接 | 応募者が萎縮、辞退の原因 |
| スマホをいじる | 失礼、不真剣な印象 |
| 長時間の面接 | 応募者の負担 |
| 結果を曖昧に | 不安を与える |
面接後の評価
評価項目の例
| 項目 | 評価基準 |
|---|---|
| コミュニケーション力 | 質問を理解し、適切に回答できるか |
| 適性 | 仕事内容に合っているか |
| 志望度 | 本当に働きたいと思っているか |
| 協調性 | チームで働けそうか |
| 勤務条件 | 希望と合っているか |
合否判断のポイント
採用したい人
- 質問に具体的に答えられる
- 会社・仕事への理解がある
- 勤務条件が合っている
- 一緒に働きたいと思える
見送りを検討する人
- 質問への回答が曖昧
- 志望動機が弱い
- 勤務条件が合わない
- コミュニケーションに不安
まとめ
面接は、適切な質問を通じて「一緒に働きたい人か」「活躍できる人か」を見極める場です。
面接のポイント
- 目的を持って質問: 何を見極めたいか意識
- 具体的に深掘り: STAR法で具体例を引き出す
- NG質問を避ける: 差別につながる質問は禁止
- 面接官もマナーを守る: 応募者への敬意
- 会社の魅力も伝える: 相互理解の場
- 評価基準を統一: 面接官による差を減らす
良い面接は、良い採用につながります。
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