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記事 #労働法 #労務 #経営

店舗経営者のための労働法基礎|知っておくべき法律知識

店舗経営者が知っておくべき労働法の基礎を解説。労働基準法、労働契約法、パートタイム労働法など、従業員を雇用する際の必須知識を紹介します。

5分で読める
オクリテ編集部

なぜ労働法を知る必要があるか

「法律のことはよく分からない」「今まで問題なかったから大丈夫」。こうした認識は、労働トラブルの原因になります。

従業員を雇用する以上、労働法の基礎知識は経営者の必須スキルです。知らなかったでは済まされません。


主要な労働関係法律

労働基準法

労働条件の最低基準を定めた法律です。

項目内容
目的労働者の保護
対象全ての労働者
罰則違反には罰則あり
特徴強行法規(契約で下回れない)

主な規定

  • 労働時間(1日8時間、週40時間)
  • 休憩(6時間超で45分、8時間超で60分)
  • 休日(週1日以上)
  • 時間外・休日労働の割増賃金
  • 年次有給休暇
  • 解雇予告

労働契約法

労働契約のルールを定めた法律です。

項目内容
目的労働契約の適正化
特徴信義則、権利濫用の禁止

主な規定

  • 労働契約の成立・変更
  • 就業規則と労働契約の関係
  • 解雇権濫用の禁止
  • 有期労働契約の更新・雇止め
  • 無期転換ルール(5年ルール)

パートタイム・有期雇用労働法

パート・有期雇用者の待遇改善を定めた法律です。

項目内容
目的均衡待遇、均等待遇
対象パート、契約社員、嘱託など

主な規定

  • 正社員との不合理な待遇差の禁止
  • 待遇差の説明義務
  • 正社員転換推進措置

労働時間のルール

法定労働時間

原則
├ 1日8時間以内
└ 週40時間以内

特例措置対象事業場(10人未満の小売・飲食等)
└ 週44時間以内

36協定(サブロク協定)

法定労働時間を超えて働かせる場合は、労使協定の締結と届出が必要です。

項目内容
正式名称時間外・休日労働に関する協定
届出先労働基準監督署
有効期間通常1年

上限規制(2019年4月〜)

  • 月45時間、年360時間が原則
  • 特別条項でも年720時間以内
  • 違反には罰則あり

変形労働時間制

繁閑に応じて労働時間を調整できる制度です。

種類内容
1ヶ月単位1ヶ月を平均して週40時間以内
1年単位1年を平均して週40時間以内
1週間単位30人未満の小売・飲食等
フレックス始業・終業を労働者に委ねる

店舗ビジネスでは1ヶ月単位の変形労働時間制がよく使われます。


賃金のルール

賃金支払いの5原則

原則内容
通貨払い現金または振込
直接払い本人に直接
全額払い控除は法定・協定のみ
毎月1回以上月1回は支払う
一定期日払い支払日を固定

割増賃金

種類割増率
時間外労働25%以上
時間外(月60時間超)50%以上
休日労働35%以上
深夜労働(22時〜5時)25%以上

計算例

時給1,200円のスタッフが
22時〜23時まで時間外労働した場合

時間外(25%) + 深夜(25%) = 50%増
1,200円 × 1.5 = 1,800円

最低賃金

最低賃金法により、都道府県ごとに最低賃金が定められています。

注意点

  • 毎年10月頃に改定
  • 時給・日給・月給全てに適用
  • 違反には罰則あり

休暇のルール

年次有給休暇

付与条件
├ 6ヶ月以上継続勤務
└ 全労働日の8割以上出勤

付与日数(フルタイム)

勤続年数付与日数
6ヶ月10日
1年6ヶ月11日
2年6ヶ月12日
3年6ヶ月14日
4年6ヶ月16日
5年6ヶ月18日
6年6ヶ月以上20日

年5日の取得義務(2019年4月〜) 年10日以上付与される労働者には、年5日の有給休暇を取得させる義務があります。

パート・アルバイトの有給休暇

週の所定労働日数に応じて比例付与されます。

週所定日数6ヶ月時
4日7日
3日5日
2日3日
1日1日

解雇のルール

解雇の種類

種類内容
普通解雇能力不足、勤務態度不良など
整理解雇経営上の理由
懲戒解雇重大な規律違反

解雇予告

原則
└ 30日前に予告

予告しない場合
└ 30日分の解雇予告手当を支払う

折衷
└ 10日前予告 + 20日分の予告手当

解雇が認められない場合

ケース内容
業務上の傷病で休業中休業期間中+その後30日間
産前産後休業中休業期間中+その後30日間
不当な理由組合活動、内部告発など

解雇権濫用法理

「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」は、解雇は無効になります。

認められやすい例

  • 繰り返しの指導にもかかわらず改善しない
  • 重大な経歴詐称
  • 長期間の無断欠勤

認められにくい例

  • 「なんとなく合わない」
  • 「思ったより仕事ができない」程度

社会保険・労働保険

社会保険(健康保険・厚生年金)

加入義務
├ 法人事業所: 全て
├ 個人事業: 5人以上(一部業種を除く)
└ 従業員: フルタイムの3/4以上勤務

社会保険の適用拡大(2024年10月〜)
└ 51人以上の企業: 週20時間以上も対象

労働保険(労災保険・雇用保険)

保険対象
労災保険全ての労働者(1人でも雇用したら加入)
雇用保険週20時間以上、31日以上雇用見込み

ハラスメント防止

法律上の義務

ハラスメント措置義務
セクハラ義務あり
マタハラ義務あり
パワハラ義務あり(2022年4月〜全企業)

事業主の義務

1. 方針の明確化・周知
   └ 「ハラスメントは許さない」を明示

2. 相談窓口の設置
   └ 担当者を決める、外部相談も可

3. 事後対応
   └ 事実確認、措置、再発防止

4. プライバシー保護
   └ 相談者・行為者のプライバシー

就業規則

作成義務

常時10人以上の労働者を使用する事業場
└ 就業規則の作成・届出が義務

10人未満でも作成が推奨です。ルールを明文化することでトラブルを防げます。

記載事項

種類内容
絶対的記載事項労働時間、賃金、退職(必ず記載)
相対的記載事項退職金、賞与等(定めがあれば記載)
任意的記載事項服務規律等(自由に記載)

周知義務

作成した就業規則は、従業員に周知しなければなりません。

周知方法

  • 事業場に掲示、備え付け
  • 書面で交付
  • 電子データで閲覧可能に

労働基準監督署の調査

調査の種類

種類内容
定期監督計画的な調査
申告監督従業員からの申告による調査
災害時監督労災発生時の調査

対応のポイント

事前準備
├ 労働者名簿
├ 賃金台帳
├ タイムカード・出勤簿
├ 就業規則
├ 36協定届
└ 雇用契約書

虚偽の報告は絶対にNGです。是正勧告を受けたら速やかに改善しましょう。


よくある違反と対策

違反対策
サービス残業労働時間を正確に記録
36協定未届出毎年届出を忘れずに
有給休暇未取得計画的付与、取得奨励
最低賃金未満毎年10月に確認
社会保険未加入要件を満たしたら加入

まとめ

労働法は経営者が守るべき最低限のルールです。

重要ポイント

  1. 労働時間: 1日8時間・週40時間が原則
  2. 36協定: 残業させるなら必須
  3. 賃金: 最低賃金と割増賃金を守る
  4. 有給休暇: 年5日の取得義務
  5. 解雇: 合理的な理由が必要
  6. 社会保険: 要件を満たしたら加入

知らないでは済まされません。分からないことは専門家(社労士、弁護士)に相談しましょう。

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