「うちのリピート率ってどのくらいだろう?」 「そもそもリピート率ってどう計算するの?」 「業界平均と比べて良いのか悪いのか知りたい」
リピート率は店舗経営の健全性を測る重要な指標ですが、計算方法や目標値がわからないという声も多いです。この記事では、リピート率の計算方法を3パターン解説し、業種別の平均値と改善施策を紹介します。
リピート率とは?なぜ重要なのか
まず、リピート率の基本的な意味と、経営における重要性を理解しましょう。
リピート率の定義
リピート率とは、一定期間内に再来店したお客様の割合を示す指標です。
計算の考え方はシンプルで、「来店したお客様のうち、どのくらいの人がまた来てくれたか」を数値化したものです。
リピート率とリピーター率の違い
似た言葉に「リピーター率」がありますが、意味が異なります。
| 指標 | 意味 | 計算式 |
|---|---|---|
| リピート率 | 新規客がリピートした割合 | リピートした新規客 ÷ 新規客数 × 100 |
| リピーター率 | 全来店客に占めるリピーターの割合 | リピーター来店数 ÷ 総来店数 × 100 |
例: 月間100人が来店、うち新規30人、リピーター70人の場合
- リピート率(前月新規からの再来店): 別途計算が必要
- リピーター率: 70 ÷ 100 × 100 = 70%
この記事では主に「リピート率」(新規客の再来店率)を扱います。
新規獲得コストの5倍の法則(1:5の法則)
マーケティングの世界では「1:5の法則」と呼ばれる考え方があります。
新規客を獲得するコストは、既存客を維持するコストの5倍かかる
| 集客方法 | 1人あたりコスト目安 |
|---|---|
| ポータルサイト経由の新規客 | 3,000〜10,000円 |
| 広告経由の新規客 | 1,000〜5,000円 |
| 既存客へのリマインド | 100〜500円 |
この法則が示すのは、リピート率を高めることが経営効率化に直結するということです。
新規客を追い続けるよりも、一度来店したお客様にリピートしてもらう方が、はるかにコストパフォーマンスが良いのです。
リピート率の計算方法【3パターン】
リピート率の計算方法にはいくつかのパターンがあります。目的に応じて使い分けましょう。
①シンプル計算: 基本のリピート率
最も基本的な計算方法です。
計算式
リピート率(%) = リピートした新規客数 ÷ 新規客数 × 100
計算例
- 1月の新規客: 50人
- そのうち2月までに再来店した人: 20人
- リピート率: 20 ÷ 50 × 100 = 40%
注意点
- 「いつまでの再来店をカウントするか」を決める必要がある
- 業種によって適切な期間が異なる(後述)
②期間指定計算: 月次で追跡
特定の月の新規客が、翌月や翌々月にどのくらいリピートしたかを追跡する方法です。
計算式
月次リピート率(%) = 当月のリピート来店客数 ÷ 前月の新規客数 × 100
計算例
| 月 | 新規客数 | 翌月リピート | リピート率 |
|---|---|---|---|
| 1月 | 50人 | 15人 | 30% |
| 2月 | 45人 | 18人 | 40% |
| 3月 | 60人 | 21人 | 35% |
この方法のメリットは、月ごとのトレンドを把握できることです。施策の効果検証にも使えます。
③コホート分析: 詳細な追跡
より詳細にリピート状況を把握したい場合は、「コホート分析」という手法を使います。
コホート分析とは
同じ時期に来店した顧客グループ(コホート)を追跡し、時間経過とともにどのくらいリピートしているかを可視化する分析手法です。
コホート分析の例
| 新規来店月 | 1ヶ月後 | 2ヶ月後 | 3ヶ月後 | 6ヶ月後 |
|---|---|---|---|---|
| 1月(50人) | 30% | 24% | 20% | 18% |
| 2月(45人) | 35% | 28% | 22% | - |
| 3月(60人) | 32% | 25% | - | - |
この表から以下のことがわかります。
- 新規客のうち30〜35%が翌月に再来店
- 時間経過とともに少しずつリピート率は下がる
- 6ヶ月後に残っているのは約18%
コホート分析のメリット
- 顧客の離脱タイミングがわかる
- 施策前後での変化が明確に見える
- 長期的なLTV(顧客生涯価値)の予測に使える
期間設定の目安(業種別)
リピート率を計算する際の「期間」は、業種の特性に合わせて設定しましょう。
| 業種 | 平均来店間隔 | リピート率計算期間 |
|---|---|---|
| 美容室 | 1.5〜2ヶ月 | 3ヶ月以内 |
| ネイルサロン | 3〜4週間 | 2ヶ月以内 |
| 飲食店 | 不定期 | 3ヶ月以内 |
| 整体・マッサージ | 2週間〜1ヶ月 | 2ヶ月以内 |
| エステサロン | 1〜2ヶ月 | 3ヶ月以内 |
| パーソナルジム | 週1〜2回 | 1ヶ月以内 |
来店間隔が短い業種ほど、リピート率の計算期間も短く設定します。
業種別リピート率の平均・目安
自店のリピート率が「良いのか悪いのか」を判断するために、業種別の平均値と目標値を紹介します。
美容室のリピート率
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 業界平均 | 60〜70% |
| 優良店の目安 | 80%以上 |
| 要改善ライン | 50%未満 |
美容室の特徴
- 定期的なヘアカットが必要なため、リピートしやすい業種
- 担当スタイリストとの関係性がリピートに大きく影響
- 新規客の定着率(初回→2回目)が重要な指標
飲食店のリピート率
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 業界平均 | 30〜40% |
| 優良店の目安 | 50%以上 |
| 要改善ライン | 20%未満 |
飲食店の特徴
- 来店頻度にばらつきが大きい
- 「常連客」の定義が曖昧になりやすい
- 立地やジャンルによって大きく異なる
ネイルサロン・エステのリピート率
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 業界平均 | 50〜60% |
| 優良店の目安 | 70%以上 |
| 要改善ライン | 40%未満 |
ネイル・エステの特徴
- 定期的なメンテナンスが必要な業種
- 施術者との相性がリピートに影響
- コースや回数券の販売がリピート率に寄与
整体・整骨院のリピート率
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 業界平均 | 40〜50% |
| 優良店の目安 | 60%以上 |
| 要改善ライン | 30%未満 |
整体・整骨院の特徴
- 症状改善が目的のため、改善すると来なくなるケースも
- 継続来院の必要性を伝えるカウンセリングが重要
- 回数券やメンテナンスプランの提案が有効
パーソナルジムのリピート率
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 業界平均 | 70〜80% |
| 優良店の目安 | 85%以上 |
| 要改善ライン | 60%未満 |
パーソナルジムの特徴
- 月額制・回数券制が基本のためリピート率は高め
- 初回体験からの入会率(コンバージョン率)も重要
- トレーナーとの相性が継続に大きく影響
リピート率が低い場合の改善施策
リピート率が業界平均を下回っている場合、以下の施策を検討しましょう。
接客・サービス品質の見直し
リピートの根本は「また来たい」と思ってもらうこと。まずはサービス品質を確認しましょう。
チェックポイント
- 初回体験のクオリティは十分か
- お客様の期待値と実際のサービスにギャップはないか
- スタッフの接客態度に問題はないか
- 競合と比較して価格に見合う価値を提供できているか
次回予約の提案を徹底
最も効果的な施策は、会計時に次回予約を提案することです。
- 全お客様に次回予約を提案するルールを作る
- 「◯週間後がおすすめです」と具体的に提案
- 予約特典(次回10%OFFなど)を用意
次回予約率とリピート率には強い相関があります。
来店後のフォローを強化
来店後にお客様との接点を持ち続けることで、「忘れられる」ことを防ぎます。
フォロー施策
- サンキューレター(お礼状)の送付
- LINE公式アカウントでのリマインド配信
- 誕生日クーポンの送付
- 季節の変わり目に「そろそろいかがですか?」の連絡
リピーターを増やす具体的な施策は「リピーターの増やし方|常連客を作る7つの施策」で詳しく解説しています。
離反リスクのあるお客様を早期発見
顧客管理システムを使えば、「来店間隔が空いてきたお客様」を自動で検出できます。
アラート設定の例
- 平均来店間隔の1.5倍を超えたら要注意
- 3ヶ月来店がなければ「休眠予備軍」としてリスト化
- 6ヶ月来店がなければ「休眠客」としてアプローチ
早めに気づいて対策を打てば、離脱を防げる可能性があります。
常連客の離反防止については「常連客が来なくなった理由と対策」で詳しく解説しています。
リピート率を自動で計測する方法
リピート率を手作業で計算するのは手間がかかります。以下の方法で自動化を検討しましょう。
POSレジ・会計システム連携
多くのPOSレジには顧客管理機能が搭載されており、リピート率を自動計算してくれます。
主なPOSレジサービス
| サービス | 月額料金 | 顧客管理機能 |
|---|---|---|
| Square | 無料〜 | ○ |
| Airレジ | 無料 | ○ |
| スマレジ | 無料〜 | ○(有料プラン推奨) |
| ユビレジ | 月額6,900円〜 | ◎ |
顧客管理アプリ・CRMの導入
より詳細な顧客分析をしたい場合は、専用の顧客管理アプリ(CRM)の導入を検討しましょう。
顧客管理アプリでできること
- 来店履歴の自動記録
- リピート率の自動計算
- 来店間隔の分析
- 休眠客の自動抽出
- セグメント別のメール・LINE配信
LINE公式アカウントの活用
LINE公式アカウントの「ショップカード」機能を使えば、簡易的なリピート計測ができます。
LINE公式でできること
- スタンプカード機能でリピート来店を記録
- 友だち登録数の推移を確認
- 配信後の来店(クーポン利用)を追跡
紹介・送客管理サービスの活用
紹介集客とリピート管理を連動させたい場合は、送客管理サービスの活用も選択肢の一つです。
オクリテのようなサービスでは、以下のことが可能です。
- 紹介経由の来店を自動トラッキング
- 紹介客のリピート状況を可視化
- 紹介→リピート→再紹介のサイクルを分析
リピート率の改善と紹介集客は相性が良いため、セットで取り組むことで相乗効果が期待できます。
まとめ
リピート率は店舗経営の健全性を示す重要な指標です。定期的に計測し、改善に取り組みましょう。
リピート率の計算方法3パターン
- シンプル計算: リピート新規客 ÷ 新規客数 × 100
- 期間指定計算: 月次で追跡して傾向を把握
- コホート分析: 詳細な追跡で離脱タイミングを可視化
業種別リピート率の目安
| 業種 | 平均 | 目標 |
|---|---|---|
| 美容室 | 60〜70% | 80%以上 |
| 飲食店 | 30〜40% | 50%以上 |
| ネイル・エステ | 50〜60% | 70%以上 |
| 整体・整骨院 | 40〜50% | 60%以上 |
| パーソナルジム | 70〜80% | 85%以上 |
リピート率が低い場合は、サービス品質の見直し、次回予約の提案徹底、来店後フォローの強化から始めましょう。
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