店舗経営を続けられなくなった時、適切な閉店・廃業の手続きを踏むことが重要です。手続きを怠ると、後々トラブルになることも。
この記事では、閉店・廃業の手続きについて、判断基準、必要な届出、各関係者への対応を解説します。
閉店・廃業の判断
閉店を検討する状況
閉店を検討する主な状況:
| 状況 | 内容 |
|---|---|
| 売上低迷 | 回復の見込みがない |
| 赤字継続 | 赤字が続いている |
| 資金繰り困難 | 運転資金が回らない |
| 健康問題 | 経営者の病気、体力 |
| 後継者不在 | 引き継ぐ人がいない |
| 家庭の事情 | 介護、家族の問題 |
| 契約終了 | 賃貸契約の終了 |
「続けられない」理由はさまざまです。
閉店の判断基準
閉店を決断する目安:
| 基準 | 内容 |
|---|---|
| 赤字期間 | 1年以上赤字が続く |
| 資金 | 3ヶ月分の運転資金がない |
| 改善見込み | 改善策を尽くしても回復しない |
| 意欲 | 続ける意欲がなくなった |
| 負債 | 負債が膨らんでいる |
「傷が浅いうちに」決断することも大切です。
閉店と事業承継
閉店前に検討すべきこと:
| 選択肢 | 内容 |
|---|---|
| 事業承継 | 従業員、第三者に引き継ぐ |
| M&A | 売却する |
| 移転 | 場所を変えて継続 |
| 業態変更 | 業態を変えて継続 |
閉店しか選択肢がないか、再検討しましょう。
閉店のスケジュール
閉店までの流れ
閉店の一般的なスケジュール:
| 時期 | 作業 |
|---|---|
| 3ヶ月前 | 閉店決定、計画策定 |
| 2ヶ月前 | 各関係者への通知 |
| 1ヶ月前 | 閉店告知、在庫処分 |
| 閉店 | 営業終了 |
| 閉店後 | 原状回復、届出、清算 |
余裕をもったスケジュールで進めましょう。
閉店準備のチェックリスト
閉店準備のチェックリスト:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| □ | 関係者(従業員、取引先、貸主)への通知 |
| □ | 賃貸契約の解約手続き |
| □ | 従業員の解雇手続き |
| □ | 取引先への支払い |
| □ | 在庫、設備の処分 |
| □ | 原状回復工事 |
| □ | 各種届出(税務署、保健所等) |
| □ | 借入金の返済・整理 |
| □ | 会計処理、確定申告 |
漏れなく進めましょう。
各関係者への対応
従業員への対応
従業員への対応:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 通知時期 | 閉店の1〜2ヶ月前 |
| 解雇予告 | 30日前に予告(または解雇予告手当) |
| 給与 | 最終日まで支払い |
| 退職金 | 規定があれば支払い |
| 離職票 | 失業給付のために発行 |
| 感謝 | 今までの感謝を伝える |
従業員には早めに伝え、転職活動の時間を確保しましょう。
取引先への対応
取引先への対応:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 通知時期 | 閉店の1〜2ヶ月前 |
| 支払い | 未払いは必ず支払う |
| 在庫返品 | 返品可能か確認 |
| 感謝 | 今までのお礼を伝える |
取引先との関係を円満に終わらせましょう。
貸主への対応
貸主(大家)への対応:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 解約予告 | 契約書の予告期間(3〜6ヶ月前) |
| 原状回復 | 原状回復の範囲確認 |
| 保証金 | 返還時期、金額の確認 |
| 立会い | 退去時の立会い |
賃貸契約書を確認し、予告期間を守りましょう。
顧客への告知
顧客への閉店告知:
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| 店頭 | ポスター、チラシで告知 |
| SNS | 閉店のお知らせ |
| LINE | 登録者に配信 |
| ホームページ | 閉店情報を掲載 |
感謝の気持ちを込めて告知しましょう。
必要な届出
税務関係の届出
税務署への届出:
| 届出 | 期限 |
|---|---|
| 個人事業の廃業届 | 廃業から1ヶ月以内 |
| 青色申告の取りやめ届 | 翌年3月15日まで |
| 給与支払事務所廃止届 | 廃止から1ヶ月以内 |
| 消費税関係届出 | 状況に応じて |
期限を守って届出しましょう。
許認可の届出
許認可関係の届出:
| 届出 | 届出先 |
|---|---|
| 飲食店営業許可廃止届 | 保健所 |
| 深夜酒類提供届出廃止届 | 警察署 |
| 美容所閉鎖届 | 保健所 |
業種に応じた届出が必要です。
社会保険関係
社会保険関係の届出:
| 届出 | 届出先 |
|---|---|
| 労働保険確定保険料申告 | 労働基準監督署 |
| 雇用保険事業廃止届 | ハローワーク |
| 社会保険資格喪失届 | 年金事務所 |
従業員がいた場合は、各種届出が必要です。
法人の場合
法人を解散する場合:
| 手続き | 内容 |
|---|---|
| 解散決議 | 株主総会で決議 |
| 解散登記 | 法務局に登記 |
| 清算人選任 | 清算手続きを行う人 |
| 清算 | 資産・負債の整理 |
| 清算結了登記 | 清算完了の登記 |
法人は解散・清算の手続きが必要です。
原状回復と設備処分
原状回復
原状回復工事:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 範囲 | 契約書で確認 |
| 費用 | 見積もりを取る |
| 業者 | 指定業者か自由か |
| 時期 | 契約終了日まで |
「どこまで戻すか」を事前に確認しましょう。
設備・在庫の処分
設備・在庫の処分方法:
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| 売却 | 中古業者に売却 |
| 譲渡 | 知人、同業者に譲る |
| 処分 | 廃棄処分 |
| 居抜き | 次の借主に売却 |
居抜きで次の借主に売却できれば、処分費用を抑えられます。
借入金・債務の整理
借入金の整理
借入金がある場合:
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| 返済可能 | 計画的に返済 |
| 返済困難 | 金融機関に相談 |
| 返済不能 | 専門家(弁護士)に相談 |
返済が困難な場合は、早めに相談しましょう。
債務整理の方法
債務整理の主な方法:
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| 任意整理 | 債権者と交渉して返済条件変更 |
| 民事再生 | 裁判所を通じた再建 |
| 破産 | 裁判所を通じた清算 |
専門家(弁護士)に相談して、適切な方法を選びましょう。
閉店後の対応
確定申告
閉店後の確定申告:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 期間 | 1月1日〜廃業日 |
| 期限 | 翌年3月15日 |
| 内容 | 最終の事業所得を申告 |
廃業した年も確定申告が必要です。
再起を考える
再起に向けて:
| 選択肢 | 内容 |
|---|---|
| 再開業 | 経験を活かして再挑戦 |
| 就職 | 一度就職して経験を積む |
| 異業種 | 別の業種で挑戦 |
| 休息 | しばらく休む |
一度の失敗で終わりではありません。
まとめ
閉店・廃業は、適切な手続きを踏むことで、トラブルなく終えることができます。
成功のポイントを振り返りましょう。
- 閉店前にM&A、承継も検討
- 余裕をもったスケジュールで
- 従業員、取引先、貸主に早めに通知
- 必要な届出を漏れなく
- 借入金は早めに相談
- 再起の可能性を忘れずに
「きれいに終わる」ことで、次の一歩を踏み出せます。
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