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記事 #試用期間 #採用 #労務

試用期間の設定と運用|店舗採用での注意点

試用期間の設定と運用方法を解説。法的な位置づけ、適切な期間、延長・本採用拒否の条件、トラブル防止のポイントを紹介します。

5分で読める
オクリテ編集部

試用期間とは

試用期間とは、正式採用の前に、従業員の適性や能力を見極めるための期間です。「仮採用期間」「見習い期間」とも呼ばれます。

労働契約自体は入社日から成立しますが、この期間中は通常よりも解雇が認められやすくなっています。


試用期間の法的位置づけ

解約権留保付労働契約

試用期間は、法的には「解約権留保付労働契約」と解釈されます。

用語意味
解約権留保一定の事由があれば契約を解除できる権利を留保
労働契約入社時点で労働契約は成立している

つまり: 試用期間中も「雇用されている状態」であり、無条件に解雇できるわけではありません。

本採用拒否(試用期間満了での解雇)

本採用拒否は解雇の一種であり、通常の解雇よりは認められやすいものの、合理的な理由が必要です。

認められる例

  • 勤務態度が著しく悪い(無断欠勤、遅刻の繰り返し)
  • 能力が著しく不足している(教育しても改善しない)
  • 経歴詐称が判明した
  • 健康上の理由で勤務困難

認められない例

  • 「なんとなく合わない」
  • 「思ったより仕事ができない」程度
  • 採用時に予測できた事情

試用期間の設定

適切な期間

期間特徴
1〜2ヶ月短い、見極めが難しい
3ヶ月最も一般的
6ヶ月やや長め、じっくり見極め
1年長い、慎重な判断

一般的には3〜6ヶ月が適切とされています。1年を超える試用期間は、合理性がないと判断されるリスクがあります。

雇用契約書への記載

第○条(試用期間)
1. 試用期間は、入社日から3ヶ月間とする。
2. 試用期間中に従業員としての適格性を欠くと
   認められた場合は、本採用しないことがある。
3. 試用期間は、必要に応じて延長することがある。
4. 試用期間中の労働条件は以下の通りとする。
   ・賃金: 月給○○万円(本採用後: ○○万円)

試用期間中の労働条件

給与の設定

試用期間中の給与を本採用後より低く設定することは可能です。ただし、最低賃金を下回ってはいけません。

パターン試用期間中本採用後
差をつけない25万円25万円
差をつける23万円25万円
時給換算1,100円1,200円

社会保険の加入

試用期間中も、加入条件を満たせば社会保険への加入義務があります。

加入条件

  • 週の所定労働時間が正社員の3/4以上
  • 2ヶ月を超える雇用見込み

有給休暇

試用期間も勤続期間に含まれます。入社から6ヶ月経過後に有給休暇が付与されます。


試用期間中の評価

評価のポイント

評価項目具体的な観点
勤怠遅刻・欠勤の有無、連絡の適切さ
業務習得教えたことを覚えているか
態度積極性、協調性、素直さ
コミュニケーション報連相ができるか
適性仕事に向いているか

記録を残す

本採用拒否の際に「合理的な理由」を示すため、記録を残しておくことが重要です。

【記録すべき内容】
・遅刻・欠勤の日時と理由
・指導した内容と日付
・改善が見られたか/見られなかったか
・問題があった具体的なエピソード
・注意・指導の記録

定期面談

試用期間中に定期的な面談を行い、フィードバックを行います。

タイミング内容
2週間後困っていることの確認
1ヶ月後業務習得状況の確認、改善点の伝達
2ヶ月後本採用に向けての確認
試用期間終了時本採用/延長/拒否の決定

試用期間の延長

延長が認められるケース

ケース
病気等で十分な勤務ができなかった長期入院があった
評価が微妙で判断に迷うもう少し見極めたい
本人の同意がある本人も納得している

延長の手続き

1. 延長の理由を本人に説明
   └ 「〇〇の点でもう少し見極めが必要」

2. 延長期間と条件を明示
   └ 「さらに1ヶ月間」

3. 本人の同意を得る
   └ 書面で同意書をもらう

4. 延長後の評価基準を明確に
   └ 「この点が改善されれば本採用」

延長の限度

試用期間の延長は、合理的な範囲内でなければなりません。一般的に、当初の試用期間と合わせて1年を超える延長は認められにくいとされています。


本採用拒否(試用期間満了での解雇)

手続き

1. 事前の警告・指導
   └ 改善の機会を与える

2. 本採用拒否の決定
   └ 合理的な理由があるか確認

3. 本人への通知
   └ 面談で伝える(書面も渡す)

4. 退職日の設定
   └ 通知後30日以上 or 解雇予告手当

解雇予告について

試用期間中であっても、入社から14日を超えた従業員を解雇する場合は、30日前の予告または解雇予告手当(30日分の賃金)が必要です。

勤務期間解雇予告
14日以内不要
14日超必要(30日前 or 予告手当)

本採用拒否の伝え方

【面談での伝え方】
「○ヶ月間、一緒に働いてきましたが、
 残念ながら本採用は見送らせていただくことになりました。

 理由は、〇〇の点で改善が見られなかったためです。
 (具体的なエピソードを挙げる)

 退職日は○月○日とさせていただきます。
 最後まで責任を持って引き継ぎをお願いします。」

トラブル防止のポイント

採用時に明確に伝える

【面接時に伝えるべきこと】
・試用期間があること
・試用期間の長さ
・試用期間中の給与(差がある場合)
・本採用拒否の可能性があること

指導の記録を残す

問題があった場合は、指導の記録を残しておきます。

【記録フォーマット】
日付: 202X年○月○日
対象者: ○○ ○○
問題点: 3回連続で無断遅刻
指導内容: 遅刻時は必ず連絡するよう指導
本人の反応: 「気をつけます」と回答
改善状況: 1週間後、再度遅刻あり

改善の機会を与える

問題がある場合は、すぐに本採用拒否を決定するのではなく、改善の機会を与えます。

1回目: 口頭で注意
2回目: 書面で注意(記録に残す)
3回目: 改善されなければ本採用拒否を検討

よくある質問

Q: 試用期間中の退職は可能?

A: 可能です。労働者側からの退職は、2週間前の予告で可能です(民法627条)。

Q: 試用期間中に有給は使える?

A: 入社から6ヶ月経過していなければ有給休暇はありません。ただし、会社が独自に付与する場合もあります。

Q: アルバイトにも試用期間は設定できる?

A: 設定できます。1〜3ヶ月程度が一般的です。


まとめ

試用期間は、従業員の適性を見極める大切な期間ですが、正しく運用しないとトラブルの原因になります。

運用のポイント

  1. 期間は3〜6ヶ月: 長すぎず短すぎず
  2. 契約書に明記: 期間、条件を明確に
  3. 評価基準を設定: 何を見るか決めておく
  4. 記録を残す: 指導内容、問題点
  5. 定期面談: フィードバックの機会
  6. 改善の機会: いきなり拒否しない

試用期間を有効に活用して、良い人材を見極めましょう。

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