「お客様からクレームが来た」「どう対応すればいいかわからない」——店舗を経営していれば、クレーム対応は避けて通れません。
クレーム対応は難しいものですが、適切に対応すればむしろ信頼を高めるチャンスにもなります。逆に対応を間違えると、SNSでの悪評拡散や常連客の離脱につながることも。
この記事では、飲食店・美容室・サロンなど店舗で使えるクレーム対応の基本から、すぐに使える例文、非がない場合の対処法まで詳しく解説します。
クレーム対応の基本姿勢
まず、クレーム対応で持つべき基本姿勢を確認しましょう。
クレームをチャンスと捉える
クレームは不満を直接伝えてくれている貴重な声です。不満を持っても何も言わずに去っていくお客様のほうが多いことを考えると、改善のヒントをもらえていると捉えることができます。
実際、適切にクレーム対応されたお客様は、むしろリピーターになりやすいという調査結果もあります。
クレーム対応の4ステップ
| ステップ | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 1. 傾聴 | お客様の話を最後まで聞く | 途中で遮らない、メモを取る |
| 2. 共感 | 気持ちに寄り添う | 「ご不快な思いをさせて申し訳ございません」 |
| 3. 事実確認 | 何が起きたか確認する | 責任の所在を明確に |
| 4. 解決策提示 | 具体的な対応を示す | 選択肢を提示する場合も |
この4ステップを意識するだけで、対応の質が大きく変わります。
やってはいけないNG対応
| NG対応 | なぜダメか |
|---|---|
| 言い訳から入る | 火に油を注ぐ |
| お客様の話を遮る | 怒りを増幅させる |
| 責任転嫁する | 信頼を完全に失う |
| 曖昧な対応 | 不満が解消されない |
| 感情的になる | 事態を悪化させる |
どんなに理不尽に感じても、まずは冷静に対応することが大切です。
場面別クレーム対応例文
実際の場面で使える例文を紹介します。
対面でのクレーム対応
基本フレーズ
「ご指摘いただきありがとうございます」
「ご不快な思いをさせてしまい、大変申し訳ございません」
「おっしゃる通りでございます」
「すぐに確認いたします」
「責任を持って対応させていただきます」
【飲食店】料理に異物が入っていた場合
「大変申し訳ございません。すぐに新しいものとお取り替えいたします。
お代は結構でございますので、改めてお召し上がりいただけますでしょうか。
今後このようなことがないよう、厨房の管理を徹底いたします。」
【美容室】仕上がりに不満がある場合
「ご期待に沿えず、申し訳ございませんでした。
具体的にどの部分が気になりますでしょうか。
お時間がよろしければ、今すぐ直させていただきます。
後日でもご都合の良いときにお越しいただければ、無料で調整いたします。」
【サロン】予約時間に待たされた場合
「お待たせしてしまい、大変申し訳ございません。
本日のお時間、〇分ほど延長させていただいてもよろしいでしょうか。
もしお急ぎでしたら、短時間で仕上げることも可能です。
今後はお待たせしないよう、予約管理を見直します。」
電話でのクレーム対応
電話対応では、表情が見えない分、声のトーンと言葉選びが重要です。
電話対応の基本フレーズ
「お忙しいところ、ご連絡いただきありがとうございます」
「まずはお話をお聞かせいただけますでしょうか」
「◯◯ということでございますね」(復唱して確認)
「すぐに確認し、折り返しご連絡いたします」
「何時ごろお電話させていただいてもよろしいでしょうか」
電話対応の例(飲食店への苦情)
「お電話ありがとうございます。〇〇店の△△でございます」
(お客様が苦情を話される)
「このたびは、ご不快な思いをおかけして大変申し訳ございませんでした。
お話を整理させていただきますと、〇月〇日にご来店いただいた際に、
□□ということがあったということでございますね。」
「すぐに事実を確認し、原因を調べさせていただきます。
本日中にお電話にてご報告させていただきたいのですが、
何時ごろがご都合よろしいでしょうか。」
メール・LINEでのクレーム対応
文章での対応は記録に残るため、誤解のない丁寧な表現を心がけましょう。
メール対応のテンプレート
件名: 〇〇に関するお詫びとご報告
〇〇様
このたびは、当店をご利用いただいたにもかかわらず、
ご不快な思いをおかけしましたこと、深くお詫び申し上げます。
〇〇様からご指摘いただきました〇〇の件について、
確認いたしましたところ、〇〇であったことが判明いたしました。
つきましては、〇〇の対応をさせていただきたく存じます。
・対応内容1
・対応内容2
今後このようなことがないよう、スタッフ一同、
サービスの向上に努めてまいります。
ご不明な点がございましたら、お気軽にお申し付けください。
改めまして、このたびは誠に申し訳ございませんでした。
〇〇店 店長 △△
電話: 000-0000-0000
メール: [email protected]
非がない場合の対処法
お客様のクレームが、明らかに理不尽な場合もあります。そうした場合の対処法を解説します。
まずは話を聞く
非がないと感じても、最初から反論するのはNGです。まずはお客様の話を最後まで聞き、何が不満なのかを把握しましょう。
事実を丁寧に説明する
事実関係を整理した上で、感情的にならず丁寧に説明します。
例文
「おっしゃることはよく理解できます。
ただ、事実を確認させていただきますと、
〇〇という状況でございました。
この点をご説明させていただきたいのですが、
〇〇という理由で、□□という対応をさせていただいておりました。
ご不快に感じられたことは申し訳なく思いますが、
当店としてはこのような考えで対応しております。」
対応の線引きを明確にする
過度な要求には応じないという姿勢も大切です。
「申し訳ございませんが、〇〇についてはお受けすることが難しい状況です。
ただ、□□であれば対応可能ですので、ご検討いただけますでしょうか。」
悪質なクレーム(カスタマーハラスメント)への対応
脅迫、暴言、長時間の拘束などの悪質なクレームは、毅然とした対応が必要です。
- 複数のスタッフで対応する
- 会話を記録する(メモ、録音)
- 「これ以上は対応いたしかねます」と伝える
- 必要に応じて警察や弁護士に相談する
従業員を守ることも経営者の責任です。
クレームを未然に防ぐ方法
クレームは対応するより、発生を防ぐ方が良いに越したことはありません。
事前の期待値調整
クレームの多くは「期待と現実のギャップ」から生まれます。
| 対策 | 具体例 |
|---|---|
| 料金を明確に | メニュー表に追加料金の条件を記載 |
| 待ち時間を伝える | 「あと◯分ほどお待たせします」 |
| 仕上がりイメージを共有 | 写真やサンプルを見せながら確認 |
| キャンセルポリシーを事前に | 予約時に伝える、ホームページに記載 |
スタッフ教育
クレームの多くはスタッフの対応から発生します。
- 接客マニュアルを整備する
- ロールプレイングで練習する
- クレーム事例を共有する
- 定期的に振り返りを行う
顧客の声を集める仕組み
不満が小さいうちに拾い上げる仕組みを作りましょう。
- アンケートを実施する
- 口コミを定期的にチェックする
- 会計時に「何かお気づきの点はありましたか」と聞く
クレーム対応後のフォロー
クレーム対応は「その場」で終わりではありません。
対応記録を残す
- いつ、誰から、どんなクレームがあったか
- どう対応したか
- お客様の反応はどうだったか
これらを記録しておくと、同じ問題の再発防止や、スタッフ教育に活用できます。
お礼状・フォローの連絡
クレームを伝えてくださったお客様に、後日フォローの連絡をするのも効果的です。
「先日は貴重なご意見をいただき、ありがとうございました。
ご指摘いただいた件について、〇〇という改善を行いました。
また機会がございましたら、ぜひお越しください。」
こうしたフォローが、むしろ信頼関係を深めることもあります。
再発防止策を実行する
クレームは改善のヒントです。同じ問題が起きないよう、仕組みを見直しましょう。
- 問題が起きた原因を分析する
- 再発防止策を決める
- スタッフに共有する
- 効果を確認する
まとめ
クレーム対応のポイントをまとめます。
基本姿勢
- クレームは改善のチャンスと捉える
- 傾聴→共感→事実確認→解決策提示の4ステップ
- 言い訳から入らない、感情的にならない
対応のコツ
- 対面: まずは話を聞き、その場でできる対応を示す
- 電話: 復唱して確認、折り返しの時間を伝える
- メール: 丁寧な言葉遣い、具体的な対応策を記載
非がない場合
- まずは話を聞く
- 事実を丁寧に説明する
- 悪質なクレームには毅然と対応
クレーム対応は大変ですが、適切に対応すればお客様との信頼関係をさらに深めることができます。日頃から「どうすればお客様に満足いただけるか」を考え、クレームが起きにくい店舗づくりを心がけましょう。
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