メニューエンジニアリングとは、メニューを科学的に分析・設計し、売上と利益を最大化する手法です。
この記事では、飲食店のメニューエンジニアリングについて、分析方法、構成のコツ、デザインまで解説します。
メニューエンジニアリングとは
基本概念
メニューエンジニアリングは、メニューを「人気度」と「利益率」の2軸で分析します。
| 分類 | 人気 | 利益率 | 戦略 |
|---|---|---|---|
| スター | 高 | 高 | 維持・PR強化 |
| 金のなる木 | 低 | 高 | 販売促進 |
| 問題児 | 高 | 低 | 原価見直し |
| 負け犬 | 低 | 低 | 廃止検討 |
分析の手順
メニューエンジニアリングの手順:
- 各メニューの販売数を集計
- 各メニューの利益(粗利)を計算
- 人気度(販売数)と利益率で分類
- 分類に応じた戦略を実行
- 効果を測定し、改善
定期的に分析を行い、メニューを最適化しましょう。
メニュー分析
人気度の分析
人気度(販売数)の分析:
| メニュー | 販売数 | 構成比 | 人気判定 |
|---|---|---|---|
| 唐揚げ定食 | 200食 | 20% | 高 |
| 生姜焼き定食 | 150食 | 15% | 高 |
| 焼き魚定食 | 80食 | 8% | 中 |
| 野菜炒め定食 | 30食 | 3% | 低 |
平均を上回るものを「人気高」とします。
利益率の分析
利益率の分析:
| メニュー | 売価 | 原価 | 粗利 | 利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 唐揚げ定食 | 900円 | 270円 | 630円 | 70% |
| 生姜焼き定食 | 950円 | 330円 | 620円 | 65% |
| 焼き魚定食 | 1,000円 | 400円 | 600円 | 60% |
| ステーキ定食 | 1,500円 | 600円 | 900円 | 60% |
利益率の平均を上回るものを「利益率高」とします。
マトリクス分類
人気度と利益率でマトリクスに分類:
利益率 高 利益率 低
人気 高 スター 問題児
(維持・強化) (原価見直し)
人気 低 金のなる木 負け犬
(販売促進) (廃止検討)
分類別の戦略
スター(人気高・利益率高)
スターメニューの戦略:
| 戦略 | 内容 |
|---|---|
| 維持 | 品質を落とさない |
| 目立たせる | メニュー表で強調 |
| 推薦 | スタッフがおすすめ |
| 安定供給 | 売り切れを防ぐ |
スターは店の看板メニューです。
金のなる木(人気低・利益率高)
金のなる木の戦略:
| 戦略 | 内容 |
|---|---|
| 露出増 | メニュー表で目立たせる |
| おすすめ | スタッフの推薦 |
| 試食 | 味を知ってもらう |
| セット化 | スターと組み合わせ |
売れれば利益が出るので、販売促進を強化しましょう。
問題児(人気高・利益率低)
問題児の戦略:
| 戦略 | 内容 |
|---|---|
| 原価見直し | 仕入れ、レシピ見直し |
| 値上げ | 価格改定 |
| 付加価値 | トッピング追加で単価UP |
| 量の調整 | ポーション見直し |
人気があるので、廃止ではなく改善を目指します。
負け犬(人気低・利益率低)
負け犬の戦略:
| 戦略 | 内容 |
|---|---|
| 廃止 | メニューから削除 |
| リニューアル | 全面的に見直し |
| 期間限定化 | レギュラーから外す |
| 価格改定 | 利益率改善を試みる |
メニュー数を絞ることで、オペレーション効率も上がります。
メニュー構成のコツ
メニュー数の適正化
メニュー数の目安:
| 業態 | メニュー数目安 |
|---|---|
| ファストフード | 20〜30品 |
| カフェ | 30〜50品 |
| 定食屋 | 20〜40品 |
| 居酒屋 | 50〜100品 |
| レストラン | 30〜60品 |
多すぎると選びにくく、少なすぎると物足りません。
カテゴリ構成
バランスの良いカテゴリ構成:
| カテゴリ | 構成比目安 |
|---|---|
| 前菜・サラダ | 15〜20% |
| メイン | 40〜50% |
| サイド | 15〜20% |
| ドリンク | 15〜25% |
| デザート | 5〜10% |
価格帯の分散
価格帯をバランスよく分散:
| 価格帯 | 構成比目安 | 役割 |
|---|---|---|
| 低 | 30% | 入りやすさ |
| 中 | 50% | 主力 |
| 高 | 20% | 高単価客対応 |
メニュー表のデザイン
視線の動きを意識
メニュー表を見る視線の動き:
一般的な視線の流れ:
┌─────────────────┐
│ ① → ② → ③ │
│ ↓ │
│ ④ → ⑤ → ⑥ │
│ ↓ │
│ ⑦ → ⑧ → ⑨ │
└─────────────────┘
①②③が最も注目されやすい
売りたいメニューを目立つ位置に配置しましょう。
売りたいメニューの強調
売りたいメニューを目立たせる方法:
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| 写真 | 大きな写真を添える |
| 枠囲み | 目立つ枠で囲む |
| 色使い | 目立つ色を使う |
| アイコン | 「人気」「おすすめ」 |
| 文字サイズ | 大きく表示 |
説明文の工夫
メニュー説明文のポイント:
| ポイント | 例 |
|---|---|
| 産地 | 「北海道産じゃがいも使用」 |
| 調理法 | 「じっくり8時間煮込んだ」 |
| こだわり | 「秘伝のタレ」 |
| 五感 | 「とろけるような」「ジューシーな」 |
説明文で価値を伝え、注文を後押ししましょう。
メニュー改定
改定のタイミング
メニュー改定のタイミング:
| タイミング | 内容 |
|---|---|
| 季節ごと | 春夏秋冬メニュー |
| 年1〜2回 | グランドメニュー改定 |
| 随時 | 問題メニューの修正 |
改定の手順
メニュー改定の手順:
- 現状分析(メニューエンジニアリング)
- 改善点の洗い出し
- 新メニュー開発
- 原価計算・価格設定
- テスト販売
- 本格導入
- 効果測定
データに基づいて改定を行いましょう。
まとめ
メニューエンジニアリングは、売上と利益を最大化する科学的手法です。
成功のポイントを振り返りましょう。
- 人気度×利益率の2軸で分析
- スターを維持し、金のなる木を売る
- 問題児は改善、負け犬は廃止検討
- メニュー数は適正化
- デザインで売りたいメニューを強調
- 定期的にデータ分析と改定
「売れる、儲かる」メニュー構成を目指しましょう。
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