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記事 #シフト管理 #労働時間 #労務

シフト管理と労働時間|店舗経営者の実務ガイド

シフト管理と労働時間の正しい運用方法を解説。変形労働時間制の活用、残業計算、休憩時間のルールなど、店舗経営に必要な知識を紹介します。

5分で読める
オクリテ編集部

シフト管理の重要性

「シフトが組みにくい」「残業代の計算が複雑」「人手不足でシフトが回らない」。店舗経営においてシフト管理は大きな課題です。

適切なシフト管理は、人件費の最適化、従業員の満足度向上、そして法令遵守に直結します。


労働時間の基本ルール

法定労働時間

原則
├ 1日8時間以内
└ 週40時間以内

特例措置対象事業場
(常時10人未満の小売・飲食・理美容等)
└ 週44時間以内

所定労働時間と法定労働時間

用語意味
法定労働時間法律で定められた上限1日8時間、週40時間
所定労働時間会社が定めた勤務時間1日7時間30分など

ポイント: 所定労働時間を超えても、法定労働時間内なら残業代の割増は不要です。


変形労働時間制

なぜ変形労働時間制が必要か

店舗ビジネスでは、曜日や季節によって繁閑の差があります。

例: 飲食店の1週間
月: 暇(6時間でOK)
火: 暇(6時間でOK)
水: 普通(7時間)
木: 普通(7時間)
金: 忙しい(9時間必要)
土: 忙しい(10時間必要)
日: 忙しい(9時間必要)

→ 合計54時間(週40時間超え)
→ 通常だと14時間分の残業代発生

変形労働時間制を使えば、一定期間で平均して週40時間以内であればOKになります。

1ヶ月単位の変形労働時間制

店舗ビジネスで最もよく使われる制度です。

1ヶ月の総枠
├ 28日の月: 160.0時間
├ 29日の月: 165.7時間
├ 30日の月: 171.4時間
└ 31日の月: 177.1時間

この枠内に収まれば、1日10時間でも
残業代は発生しない

導入の手続き

手続き内容
就業規則への記載変形期間、各日・各週の所定労働時間
労使協定(任意)10人未満なら就業規則のみでOK
シフト表の事前周知月初開始の場合、前月末までに確定

1ヶ月単位変形労働時間制の記載例

【就業規則への記載例】

第○条(労働時間)
1. 当社は、1ヶ月単位の変形労働時間制を採用する。
2. 変形期間は、毎月1日から末日までとする。
3. 1ヶ月の所定労働時間は、以下を上限とする。
   ・31日の月: 177時間
   ・30日の月: 171時間
   ・29日の月: 165時間
   ・28日の月: 160時間
4. 各日の所定労働時間は、シフト表により
   変形期間開始の7日前までに周知する。
5. 1日の所定労働時間は、4時間以上10時間以内とする。

シフト表の作成

シフト作成の流れ

1. 必要人数の算出
   └ 時間帯別・曜日別の来客予測

2. スタッフの希望収集
   └ 出勤可能日、希望休日

3. シフト案の作成
   └ 必要人数 × 営業時間

4. 労働時間のチェック
   └ 月の総労働時間が枠内か

5. 周知・確定
   └ 変形期間開始前までに

時間帯別の必要人数

【カフェの例】

07:00-10:00  2人(朝の準備、モーニング)
10:00-12:00  3人(ランチ前準備)
12:00-14:00  5人(ランチピーク)
14:00-17:00  2人(アイドルタイム)
17:00-19:00  4人(ディナー準備、夕食)
19:00-21:00  3人(夜の営業)
21:00-22:00  2人(閉店準備)

シフト表テンプレート

【シフト表】2026年2月

       月    火    水    木    金    土    日
1日    -     A     -     -     A     A     休
2日    A     -     A     A     -     A     A
3日    休    A     A     -     A     休    A

A: 10:00-19:00(実働8h)
B: 14:00-22:00(実働7h)
休: 休日
-: 出勤なし

月間労働時間: Aさん 168時間、Bさん 152時間...

残業時間の計算

変形労働時間制での残業

残業になるケース

1. 1日単位
   └ 所定労働時間が8時間超の日: その時間を超えた分
   └ 所定労働時間が8時間以下の日: 8時間を超えた分

2. 週単位
   └ 所定労働時間が40時間超の週: その時間を超えた分
   └ 所定労働時間が40時間以下の週: 40時間を超えた分
   (1日単位で計算済みの分は除く)

3. 月単位
   └ 月の総枠を超えた分
   (1日・週単位で計算済みの分は除く)

計算例

シフト: 10時間勤務の日に11時間働いた

10時間(所定)を超えた1時間が残業
→ 1時間 × 割増率25% = 1.25時間分の賃金

休憩時間のルール

法定の休憩時間

労働時間休憩時間
6時間以下なし
6時間超〜8時間以下45分以上
8時間超60分以上

休憩の3原則

原則内容
途中付与労働時間の途中に与える
一斉付与原則として一斉に
自由利用自由に利用させる

店舗ビジネスの例外: 小売業、飲食業、理美容業などは「一斉付与」の原則が適用されません。交代で休憩を取らせることができます。

休憩時間の設定例

【飲食店の例】

スタッフA: 11:00-12:00(ランチ前)
スタッフB: 14:00-15:00(ランチ後)
スタッフC: 15:00-16:00(アイドルタイム)

→ 交代制で常に人員を確保

休日のルール

法定休日

原則
└ 毎週1日以上

または

4週間に4日以上
└ 変形休日制(就業規則に規定が必要)

法定休日と所定休日

種類意味割増率
法定休日週1日の最低限の休日35%以上
所定休日会社が定めた休日25%以上(時間外扱い)

: 週休2日の場合、1日は法定休日(35%増)、もう1日は所定休日(25%増)


シフト管理のよくある問題

問題1: 急なシフト変更

NGパターン
「明日、人が足りないから出て」
「今週のシフト、変更ね」

OKパターン
事前にシフトを確定し、変更は本人の同意を得る

対策

  • 予備要員の確保
  • シフト交代のルール整備
  • 応援体制の構築

問題2: 連続勤務

NGパターン
10日連続勤務

法律上は
├ 週1日の休日があればOK
└ ただし健康面・モチベーション面で問題

推奨
└ 6日以上の連続勤務は避ける

問題3: シフトの偏り

問題
特定のスタッフにシフトが集中
「Aさんは土日OK、Bさんは平日のみ」

対策
├ 月単位で公平に調整
├ 土日出勤には手当
└ 希望とのバランス

シフト管理ツール

紙・Excelでの管理

メリットデメリット
コストゼロ作成が手間
カスタマイズ自由共有が面倒
変更の周知が大変

シフト管理アプリ

メリットデメリット
自動計算月額コスト
スマホで共有操作に慣れが必要
希望収集が楽
勤怠連動

主なシフト管理ツール

ツール特徴
ジョブカン勤怠管理と連動
シフオプリクルート提供
CAST飲食店向け
Airシフトリクルート、無料プランあり

勤怠管理との連動

タイムカードの重要性

労働時間の記録義務
├ 客観的な方法で記録
├ タイムカード、ICカード、PC打刻など
└ 自己申告は原則NG(やむを得ない場合のみ)

記録すべき内容

項目内容
出勤時刻実際に業務を開始した時刻
退勤時刻実際に業務を終了した時刻
休憩時間実際に取得した休憩
残業時間法定・所定外の労働時間

よくあるNG

✗ 着替え時間を労働時間に含めない
  → 制服着用が義務なら労働時間

✗ 朝礼前の準備を労働時間に含めない
  → 業務に必要なら労働時間

✗ 打刻後にサービス残業
  → 実態と記録を一致させる

人件費の最適化

人件費率の目安

業種人件費率
飲食店25-35%
小売店10-20%
美容室40-50%
エステ35-45%

最適化のポイント

1. 時間帯別の人員配置
   └ ピーク時に厚く、アイドル時に薄く

2. 繁閑に応じたシフト
   └ 月初は薄く、月末は厚く等

3. 多能工化
   └ 複数業務をこなせるスタッフ育成

4. 適切な採用
   └ 希望シフトの多様性を確保

まとめ

シフト管理と労働時間の運用は、店舗経営の要です。

重要ポイント

  1. 変形労働時間制: 繁閑に応じた柔軟な運用
  2. シフト表: 事前に確定し、周知する
  3. 残業計算: 正確に把握し、支払う
  4. 休憩: 6時間超で45分、8時間超で60分
  5. 休日: 最低でも週1日は確保
  6. 記録: 客観的な方法で労働時間を記録

法令を守りながら、効率的なシフト運用を目指しましょう。

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オクリテ編集部

オクリテ編集部は、店舗の集客・リピート施策に関する実践的な情報を発信しています。

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