開業に必要な資金を自己資金だけで賄えない場合、創業融資の活用が選択肢となります。特に、日本政策金融公庫の創業融資は、実績のない創業者でも利用しやすい制度です。
本記事では、創業融資の基本と申請のポイントを解説します。
創業融資とは
創業融資の概要
創業融資とは、これから事業を始める人や、開業して間もない人を対象とした融資制度です。
民間銀行との違い
- 実績がなくても審査される
- 担保・保証人なしで借りられる制度がある
- 金利が比較的低い
主な創業融資の種類
日本政策金融公庫
- 新創業融資制度
- 新規開業資金
信用保証協会
- 創業保証制度(民間銀行経由)
自治体の制度融資
- 各都道府県・市区町村の創業支援制度
日本政策金融公庫の創業融資
新創業融資制度
無担保・無保証人で利用できる代表的な制度です。
概要
- 融資限度額:3,000万円(うち運転資金1,500万円)
- 返済期間:設備資金20年以内、運転資金10年以内
- 担保・保証人:不要
利用条件
- 新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を2期終えていない方
- 自己資金要件:創業資金総額の10分の1以上(緩和される場合あり)
新規開業資金
新たに事業を始める方向けの融資です。
概要
- 融資限度額:7,200万円(うち運転資金4,800万円)
- 返済期間:設備資金20年以内、運転資金10年以内
- 金利:基準金利(担保の有無等で変動)
申請の流れ
ステップ1:事業計画書の作成
融資審査で最も重要なのは事業計画書です。
事業計画書に含めるべき内容
- 事業の概要
- 市場分析・競合分析
- 売上計画(根拠付き)
- 収支計画
- 資金使途の明細
- 自己PR(経験・スキル)
ステップ2:必要書類の準備
主な必要書類
- 借入申込書
- 事業計画書
- 設備の見積書
- 不動産の賃貸借契約書(コピー)
- 許認可証(必要な業種の場合)
- 預金通帳(自己資金の確認)
- 運転免許証等の本人確認書類
ステップ3:申込み
日本政策金融公庫の支店に申込みます。
申込方法
- 窓口への持参
- 郵送
- インターネット申込
ステップ4:面談
申込後、担当者との面談があります。
面談で聞かれること
- 事業内容の詳細
- なぜこの事業を始めるのか
- 売上計画の根拠
- 経験・スキル
- 資金使途
ステップ5:審査・融資実行
面談後、審査が行われ、通過すれば融資が実行されます。
審査期間
- 申込から融資実行まで:約1〜2ヶ月
審査のポイント
自己資金
自己資金は審査で重視されるポイントです。
自己資金の目安
- 創業資金総額の3分の1以上が望ましい
- 最低でも10分の1は必要
自己資金として認められるもの
- 預貯金
- 退職金
- 有価証券(換金可能なもの)
事業経験
同業種での経験は、プラス評価になります。
評価されるポイント
- 同業種での勤務経験
- 関連する資格・スキル
- 業界知識
事業計画の妥当性
審査で見られるポイント
- 売上計画が現実的か
- 市場調査に基づいているか
- リスクを考慮しているか
- 数字の根拠が明確か
返済能力
融資を返済できる見込みがあるかが審査されます。
確認されること
- 収支計画の妥当性
- 生活費を考慮した返済計画
- 赤字の場合のリカバリープラン
融資を成功させるコツ
専門家に相談する
相談先
- 中小企業診断士
- 税理士
- 商工会・商工会議所
- 認定経営革新等支援機関
事業計画書を作り込む
事業計画書は、何度も見直して作り込みましょう。
良い事業計画書のポイント
- 数字に根拠がある
- 市場調査に基づいている
- リスクと対策を記載
- わかりやすい構成
面談の準備
面談は、事業への熱意と計画性を伝える機会です。
準備すべきこと
- 想定質問への回答
- 売上計画の根拠説明
- 競合との差別化ポイント
- 事業への想い
融資を受けた後
資金の使途を守る
融資は申請した使途に使いましょう。流用は契約違反になります。
返済を遅れない
返済の遅延は、今後の融資に影響します。余裕を持った計画を立てましょう。
追加融資の可能性
事業が軌道に乗れば、追加融資を受けられる可能性もあります。
まとめ
創業融資は、自己資金だけでは開業資金が足りない場合の有力な選択肢です。
創業融資成功のポイント
- 十分な自己資金を準備する
- 事業計画書を作り込む
- 同業種での経験をアピール
- 専門家に相談する
- 面談の準備をしっかり行う
日本政策金融公庫の創業融資は、実績がなくても利用できる制度です。開業を検討している方は、まずは相談してみることをおすすめします。
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